ここから足場のやや悪いところも含めて狭い道の急登が続くが、同時にときどき現われる花の種 類もぐっと多くなる。 この時期は盛夏の花の残りものか遅咲きの株が多いだろうが、夏の終わり頃にさく見頃の花もあ るのでは、と期待が膨らむ。 |
||
数メートル離れた岩場にダイモンジソ ウが咲いているのが見えた。全部で5株 見える。しかしそこまでは急な崖でとて も近寄れない。 望遠レンズを装着して撮ってみるが、 手ぶれ防止のついたカメラでも三脚がな くてはちゃんとした写真は撮れない。い くつか方法を試してみたがうまく撮れな かった。しかしダイモンジソウは夏でも 終盤に咲く花であり期待通りニペでは初 めて見た花だった。 |
![]() |
|
ダイモンジソウ | ||
東側の沢形の草地にエゾノホソバトリカブトやチシマノキンバイソウが見られた。チシマノキ ンバイソウはシナノキンバイと花だけでは見分けがつきにくいが果実をつけている形で分かった。 |
||
![]() |
![]() |
|
エゾホソバトリカブト | チシマノキンバイソウ | |
ここの道のごく一部でクモマユキノシ タが見られる。よくもこんなところに咲 くなと思われる場所にあるが、この日も まだ二つばかり花をつけていた。あと数 株は根本の葉が残っているだけだった。 次の沢形の草つきにはトカチフウロの 残り花とナガバキタアザミのちょっとし た群落があった。また、ミソガワソウや サマニヨモギも咲いていた。 |
![]() |
|
トカチフウロ | ||
![]() |
![]() |
|
ナガバキタアザミ | ミソガワソウ | |
最後のガレ場をトラバースする。ここ は以前、ナキウサギとオコジョを見たと ころだが、今日はいないみたい。 オオイワツメクサの残り花を見ながら 山頂を目指す。イワブクロはここでもか なりの数が見られるが他は何も咲いてい ない。 ユウパリリンドウもないのかもという 心配がチラッとよぎる。 |
![]() |
|
イワブクロ | ||
歩き出してからおよそ6時間で山頂に到着。先発した8人のパーティーと出会う。 辺りを見回したがユウパリリンドウは見当たらない。まあ、まずは休んでお昼だ。 |
||
食べ終わって花を探しに少し歩いてみ た。ここは東側の崖に多くの貴重な花が ある。ほんの少し歩いて「あった!あっ た!」と歓声を上げたくなった。ユウパ リリンドウがいくつも咲いていた。 ここの花は先端部が細くとがって星型 になっていてきれいだ。9年ぶりにニペ のユウパリリンドウが見られた。 そしてチシマゲンゲやエゾルリソウの 残り花、シコタンソウやミヤマアズマギ ク、タカネシオガマのやっと残っている 花もあった。 |
![]() |
|
ユウパリリンドウ | ||
![]() |
![]() |
|
チシマゲンゲ | エゾルリソウ | |
タカネナデシコも見えたが遠くにあっ てうまく写せない。 山頂に戻って、すぐ下を見てみたら、 そこにタカネナデシコとイブキジャコウ ソウが見られた。これらもニペでわれわ れが初めて見た花だ。 |
![]() |
|
タカネナデシコ | ||
![]() |
この山では今まで数回登っているが、 山頂で虫に出会うことが多く、ゆっくり 食事もできなかったことが多かったが、 今日は全くいなかった。 しかしアップダウンが多く、帰りも時 間がかかるし、明日は大雪に登るため、 下山した。 満足感で一杯だった。 |
|
イブキジャコウソウ | ||
場所は特定できないが、ここの固有種 であるトカチビランジにも思いがけずに 出会うことができた。 |
![]() |
|
トカチビランジ | ||
ほぼ快晴、微風のニペを満喫できた。 ここは他の山には見られない花が多くあるところであるが、今回も素晴らしい花に出会えた。 登山口5:25 天狗のコル7:52 前天狗9:12 天狗平9:45 ニペソツ山11:25 山頂発12:06 天狗平13:37 天狗のコル14:43 登山口16:25 |
トップに戻る | 山の花の道に戻る |
---|