七つ沼カール


                        2009年7月23日〜24日


 ヌカビラ岳から北戸蔦、戸蔦別、七つ沼カール、幌尻岳を回ってお花畑を満喫する
こと、特に七つ沼で花を散策しながらゆっくり過ごすことが目的である。



  23日朝、天気予報が午後から回復し、25日までは良いとの確認をして出発。予定では、
 23日は七つ沼カールまで。24日に幌尻に登ってカールで花を見、のんびり過ごして25日
 に下山することにしていた。

  しかし、23日夕方のラジオで24日夕方から崩れ、25日は所によっては大雨と急変し、
 急遽予定を変更して24日に幌尻ピストンで下山となった。

   
     23日二股出合いでは霧雨程度であったが、そのうち雨粒がしっかり見えるようになり
 ザックカバーだけをして歩く。

  気温は高めでそれほどの雨でもないためそのまま登りはじめた。

  渡渉は計10回を数えた。以前登ったときには水量も少なくこんなに渡渉を繰り返したか
 なと思いながら歩くが、次第に登山靴に水が沁みこみだした。

  
  

   
   
        
 

  
  道は今までの雨の影響かかなりぐちゃ
 ぐちゃ。とにかく今年は雨が多い。

  晴れの天気が3日は続かない。

  ここでは、ヌカビラ岳からのお花畑の
 様子を記す。

  ヌカビラ岳からは、幌尻や戸蔦別が見
 えるはずだが、霧で幌尻のカールの一部
 が見えただけ。

  しかし、雨はすでに上がっており、
 沢山の花が咲くお花畑の連続だった。
 ちょうど、北岳の南東斜面のトラバース
 道のような、多くの花が咲き乱れる素晴
 らしい道だった。

  今日は、一つ一つの花を写真に収める
 つもりがないため、立ち止まってはメモ
 しておかないと、見た花を覚えていられ
 ない。

      
     ヌカビラ岳のお花畑  
       
     目にした順に挙げるとイワギキョウ、チシマフウロ、ハクサンボウフウ、エゾノウサギギク、
  エゾツツジ、チングルマ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、エゾミヤマクワガタ、ヨツバ

  シオガマ、ミヤマキンポウゲ、ゴゼンタチバナ、エゾシオガマ、オトギリソウ、ミヤマリンドウ、
  ムカゴトラノオ、エゾノレイジンソウ、ウメバチソウ、コバイケイソウ、エゾノツガザクラ、

  アオノツガザクラ、チシマヒョウタンボク、ミヤマキスミレ、マルバシモツケ、キバナシャクナゲ、
  ミヤマアズマギク、イワヒゲ、イワブクロ、ミヤマダイコンソウ、キバナノコマノツメ、ウコン

  ウツギ、コケモモ、モミジカラマツ、ヒメゴヨウイチゴ、オオカサモチ、ミヤマアキノキリンソウ
  であった。

  何と、北戸蔦別までの間に、確認しただけで36種類の花が咲いていた。本当にすごい。
  
 
       
   

  北戸蔦別到着。

  ホソバツメクサとサマニヨモギがたくさん
 あった。

  ここから戸蔦別までの稜線もまたそれまで
 見なかった花が加わり、楽しい径だった。

  タカネシオガマ、トウゲブキ、ミヤマキン
 バイ、チシマノキンバイソウ、、ムシトリスミレ、
 ヒメイワタデ、エゾタカネツメクサ、チシマ
 キンレイカ、ホソバツメクサなどであった。


   「などであった」となっているが、それまでに見た
 のか見なかったのかはっきりしなくなるくらいの、
 短時間でのたくさんの花との出会いだ。

 
 
   チシマキンレイカの群落    
 

 

  戸蔦別着。

  戸蔦別のやや手前でようやく青空が
 一部見え出した。
  戸蔦の山頂付近はムカゴトラノオと
 サマニヨモギのオンパレードだった。

  今日は七つ沼までなので、幌尻が見
 えることを期待してここで1時間休憩。

  幌尻山頂部は見えないものの(結局
 この山行で、北カールだけがこのとき
 に見られただけだった)、1967峰
 やピパイロから北戸蔦、今歩いてきた
 稜線、そして七つ沼もようやく見えた。

  
   
   幌尻北カール  
     
     七つ沼を見る  

 

  

   
 
  
この日は湿度が高く汗を十分かいたので、
 幌尻はあきらめて七つ沼でビールを冷やして
 飲むことにし、歩き始めた。

  戸蔦を下って、エゾツツジの群落とチシマ
 センブリが目に入った。センブリは北岳では
 9月にようやく見られるので、この時期に咲い
 ているとは驚きだった。

  七つ沼への下りはかなりの急勾配だが、周囲
 の花も見事だった。

 

 
   チシマセンブリ    
 
 
 
   エゾツツジの群落  
       
     七つ沼カールへの道の花畑  
 

 

  七つ沼カールでテントを張り、着替え
 て、雪渓からの水で冷やしたビールは
 最高だった。

  明日は幌尻を往復して早めにこのテン
 場に戻り、ゆっくりカールの花を散策
 しよう。(ところがこれが実はそうは
 行かなかった。)

  テントの近くではチングルマ、
 ハクサンボウフウ、ミヤマキンポウゲ、
 ハクサンイチゲ、ヨツバシオガマなど
 見事に咲いていた。  
   
  ハクサンイチゲとハクサンボウフウ   
       
  チングルマ  ヨツバシオガマの群落   
 

  
    翌日、朝少し雨。七つ沼でゆっくりの計画は急遽変更。

    幌尻への径はガスで殆ど見えず。しかし、今まで咲いていたのと同じ花がいたるところで
   咲いていた。
    あとで聞いた話だが、例年より1週間は遅れているとのことで、比較することができない
   がそれでも人気があるのは窺えた。


    戸蔦へ戻ってきたところで、ガスがいったん晴れ、幌尻はまったく見えなかったが、
   北戸蔦、1967、ピパイロは見えた。

  
 
       
  戸蔦別岳   北戸蔦別岳  
 

 当初の目的は達成できなかったが、ここのルートの花々も十分満足のいくものだった。

 またいつか七つ沼でゆっくり花を見ながら過ごしたいものである。

 
  

 7月23日

  駐車場6:00 北戸蔦別登山口6:48 トッタの泉9:03 ヌカビラ岳10:22 北戸蔦別岳11:48 戸蔦別岳13:06
  七つ沼カール14:40

 7月24日

  七つ沼発4:50 幌尻岳6:57 七つ沼からの稜線7:59 戸蔦別岳8:45 北戸蔦別岳10:22 ヌカビラ岳11:14
  トッタの泉11:55 最後の渡渉13:26 北戸蔦別登山口15:01 駐車場15:55

 


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