今回苗場山に来るにあたって気をつけたこ
  とはムシ対策である。ブヨにでもかまれると
  後が辛い。たつさんは汗かきなのでこの時期
  ならもう半袖で歩くが、今回は長袖のシャツ
  を着用。さらに二人とも防虫ネットをかぶり、
  ハッカスプレイも使い、刺された時のために
  かゆみ止めも持って歩いた。

   この日は気温が低かったためか、ムシの活
  動はそれほどではなかったようで、それでも
  これらの効果は抜群だった。

   神楽ヶ峰から苗場山山頂までは一旦鞍部に
  下ることになる。

   この途中でハクサンチドリが現れた。数は
  3株のみ。山頂近くでもう一株が見られただ
  けだった。

   ショウジョウバカマもいくつか見られた。
 
 
    ハクサンチドリ 
       ここでようやく単独行の男性が追い越して
    行った。

     この日、この後に出合ったのは3組のパー
    ティーだけだった。あーちゃんが、「最近の
    山ではあまり人と会うことがないね。」と言
    っていたが、平日とはいえ人気の苗場山がこ
    んなに少ないとは思わなかった。

     下りの道の両側にナナカマドがたくさん花
    をつけていた。ここは秋の紅葉がきれいなん
    だろうと思う。
 
  ショウジョウバカマ
       鞍部までもう少しのところに雷清水があっ
    た。冷たいおいしい水だった。

     この日は下山して登山口に戻った時の気温
    が15℃だったので、午前中はもう少し低か
    ったと思う。そのせいか汗もさほどかかず、
    水の消費量も少なかったので、帰りに補給す
    ることにした。
  ウラジロナナカマド
       鞍部にはお花畑の標識があった。

     この時期はちょうど初夏の花から夏の花へ
    の端境期になるのだろう、咲いている花はカ
    ラマツソウとモミジカラマツだけといっても
    いい状態。

     シラネアオイは実をつけており、花は見ら
    れなかった。

     その中で、ヤマオダマキが一輪、イブキト
    ラノオが2輪、タカネニガナが3輪だけ見ら
    れた。
  雷清水  
 
  カラマツソウ ヤマオダマキ
 
  イブキトラノオ タカネニガナ
     ここから標高差約200mほどの最後の急
  登となるが、登りはじめのところにナエバキ
  スミレが咲いていた。

   黄色いスミレというのは平地ではほとんど
  見られないが、高い山には数種類の黄色いス
  ミレが日本全国でも見られる。

   ナエバキスミレはオオバキスミレの変種で
  谷川岳などでも見られ、苗場山の固有種では
  ない。花が残っていたのは数株であとはもう
  終わっている株がほとんどだった。この時期
  に来てよかった。
    ナエバキスミレ
     ここの登りの途中にもウラジロヨウラクや
  サラサドウダンが咲いていた。

   オオバタケシマランとツガザクラが見られ
  た。
    オオバタケシマラン
       お花畑から登ること約45分で木道となり
    山頂部の平坦な湿原地帯になった。

     とにかく広い。

     上空は雲に覆われているが、周辺の山々は
    くっきり見える。まずは山頂に行って、近く
    の木道を散策してみた。

     北アルプスの槍ヶ岳と穂高連峰も見えた。
   ツガザクラ  
   
  ワタスゲが見られる山頂湿原
   
  木道と池塘
     周辺を少し歩いた後、木道と池塘が見渡せ
  るベンチで昼食とした。

   このころ、周辺の山に雲がかかり始めた。

   しばらく休憩して、池塘周辺に咲くイワイ
  チョウ、タテヤマリンドウ、ヒメシャクナゲ
  を撮って、下山することにした。

   このあたりも夏の花はまだまだだった。

   登山口まであと約1時間くらいからぽつぽ
  つと雨が降り出したが、レインウエアを着る
  ほどでもなかった。
  イワイチョウ
 
  タテヤマリンドウ ヒメシャクナゲ 
     山に入っている時間が7時間以上でなおか
  つ家から登山口まで往復400キロ以上とな
  ると、われわれでは日帰りするのがきつい。

   こういうところでは登山口近くに宿をとっ
  て素泊まりすることが多いが、今回は和田小
  屋に泊まってみることにした。

   前日の和田小屋は貸切状態だった。小屋と
  言っても寝る場所は大部屋であるが、お風呂
  はあるし水洗トイレだし、洗面所にはお湯は
  出る。

   食事も夕食朝食とも大変豪華で、たつさん
  などすっかり気にいってしまった。
     和田小屋
 

 


     雨に降られなければいいという状況だったが、午前中は薄日も差し、遠く北アルプスまで
    見えるような幸運な時間に苗場山に登れた。

     花の種類は今の時期多くはなかったが、入り口から山頂まで途切れなく花が咲いていたの
    は、さすが花の百名山だと思った。


   和田小屋 6:12  下の芝 7:19  中の芝 8:08  神楽ヶ峰 8:55  お花畑

   9:25  山頂 10:20    山頂発 11:23  神楽ヶ峰 12:28  上の芝

   12:49  下の芝 13:37  和田小屋 14:39


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