鍋割山、塔ノ岳


                         2013年6月1日


  5月中旬から下旬にかけていろいろ行事が重なり、そうこうしているうちに関東地方は梅雨入り
 してしまった。丹沢山塊ではこの時期、トウゴクミツバツツジやシロヤシオがきれいなはずであ
 るが、それに関する情報はまったく入手しないまま梅雨の晴れ間に急きょ行ってみた。

  土曜日は高速も渋滞が多いし、おそらく登山口の駐車場も満杯であろうということで、いつもなら
 避ける曜日であるが、梅雨に入って晴れが期待できる1日に、5時前に家を出た。

     二股付近の駐車スペースは、ヤマレコで調べ
  ていたのですぐに見つかった。

   もう通常の駐車スペースは埋まっていたため
  道路上に邪魔にならないように止めた。
  
   塔ノ岳へ最初に行こうか、鍋割山に行こうか、
  迷ったが、大倉尾根は下りに使うことにして、
  鍋割山を目指した。

   バイカウツギが咲いていた。サワフタギもた
  くさん咲いていた。ヤマアジサイも少し見られ
  た。

    バイカウツギ
     四十八瀬川の左岸の道を歩く。登山道という
   より林道だ。前後で歩いている人は4人。まだ
   このあたりの山では時間が早いせいか人が少な
   い。

    ミズヒ沢を渡ってからようやく山道になる。

    明るい杉の林の斜面を登る。

    手入れの良い林で、下草も刈られ、あたりに
   はフタリシズカがたくさん咲いている。

    中には‟フタリ”でなく‟サンニン”‟ヨニン”
   と言えるフタリシズカもたくさんあった。
  ヤマアジサイ  
      フタリシズカのほかには、たまにミツバツチ
   グリの黄色い花やマムシグサの終りかかった株
   が見える程度。

    ほどなく後沢乗越に出た。
  フタリシズカ
     ここから尾根道となる。

   スギに交じってブナの木が、きれいな新緑の
  葉を見せてくれる。丹沢のブナの林はかなりの
  巨木があって見事な景観を見せる。

   ただ、ここ数年、ブナの実生が発芽せず、小
  さなブナの木が成長していないという記事をど
  こかで読んだことがある。

   ヤマツツジのオレンジが見えだした。終わり
  に近い状態ではあるが、このあとも時々見るこ
  とができた。

  ヤマツツジ
     この尾根道は鍋割山までは緩い登りになって
  おり、時々木道がつけられている。

   樹林帯なので木の間越しに富士山も見える。

   ニガナ、ミツバツチグリの黄色があちこちで
  見られる中に、二株だけミヤマキンポウゲが見
  られた。

   しかし、これ以降もここで見ただけだった。

   
  木道
      マムシグサもところどころで見られたが、そ
   れ以外に花はない。

    そのうち尾根道がモミジのトンネルになって
   いる場所を通る。下にはモミジの種がたくさん
   落ちていた。

    秋になったらきれいなところだろうと思う。
  ミヤマキンポウゲ  
      ここまで、ヤマツツジは見られたものの、ト
   ウゴクミツバツツジは花がほとんど落ちていた
   し、シロヤシオも木は見えたのだが花はついて
   いなかった。

    鍋割山に着く。

    富士山がきれいだ。

    南側はややかすんでいるが相模湾が見える。

   マムシグサ  
      鍋割山稜を塔ノ岳へ向かう。

    鍋割山を出てすぐのところにフキがたくさん
   出ていた。こんな標高のところで水はけもよさ
   そうなところなのに自生しているようだ。

    そしてクワガタソウが出てきた。このあと、
   塔ノ岳までちょうど今が旬でたくさん見られた。

    少し風が出てきているので、なかなかうまく
   撮れない。
  鍋割山からの富士
 
  フキ クワガタソウ
 
   ここのクワガタソウは大部分が白。時々白の
  中に薄いピンクや薄い紫が混じることがある。

   鍋割山稜は多少のアップダウンもあり、ブナ
  があり、開けたところからは小田原方面の下界
  や相模湾が見え、なかなか楽しい道だ。

   
   
     ヒメイズイが見られた。まだ出たばかりの株
  だろう。背も小さく花も一つしかつけていない。
  2か所で見られた。

   小丸を過ぎて、バイカオウレンが出てくるよ
  うになった。これも塔ノ岳までの区間だけだっ
  た。

  ヒメイズイ
      そしてようやく、トウゴクミツバツツジのま
   だ咲いている木が何本かあらわれた。

    シロヤシオも咲いているものもあったが、登
   山道からかなり下のほうでしか見られなかった。

  バイカオウレン   
      途中にコバイケイソウがいくつか見られたが、
   まだ花はつけてなかった。

    大倉尾根からの道に合流し、この道の特徴で
   ある階段を上って塔ノ岳に着く。

    まだ10時半ころだったが、山頂は大勢の人
   だった。

  トウゴクミツバツツジ
 

 


    大倉尾根を下って、堀山ノ家から二股に降りた。大倉尾根は25年ぶり。それ以前にもボッカ訓練
   で砂をザックに詰め、ここを2度登ったことがあるが、その当時の思い出もあってここは好きなとこ
   ろではない。

    昔はこれほど階段はなかったように思うが、単調な長い尾根に「バカヤローッ!」と叫びたくなる
   ので「バカ尾根」と呼ばれていた。

    しかし、それでも相当多くの登山者が登ってくる。ここを久し振りに下ってみて、次に来るときは
   やはりほかのルートにしようと思った。




   登山口 7:10  後沢乗越 8:14   鍋割山 9:12  塔ノ岳 10:32

   堀山ノ家 11:48  二股 12:32  登山口 12:58


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