南高尾山稜


                         2014年4月13日


   今年初めての花を見る山旅は南高尾山稜にした。2月に2度の大雪もあり、今年の冬は例年
 より寒かったこともあって、家の周りの春の野の花も開花がずいぶん遅かった。山の上も同じ
 と見て、例年より遅い歩き始めとした。


  例年花を見に行く最初は高尾山周辺が多い。花の種類が多いこととその開花も早いのでどうしても同じ山に
 行くことになる。今回は大垂水峠から南高尾山稜を歩いて高尾山口まで下りるコースで花を見に行った。

     高尾山口に着くと駅前にはかなりの人。駅
  や近くのトイレは長い列ができている。

   国道へ出てコンビニで食料を仕入れてケー
  ブルカーの乗り場へ行く。高尾山にケーブル
  カーで行くのは初めて。

   今回は高尾山をスタートとしたいので時間
  を稼ぐことにした。

   ケーブルカーは7分間隔で運転されていた。

   山頂はヤマザクラがまだ満開で、しかも相当
  のにぎわいだった。
    高尾山頂
     高尾山にはスミレの種類が多い。ケーブル
  カーを降りてからもあちこちに咲いている。

   しかし、一部のスミレを除いて、名前を同
  定するのはたつさんにとっては難しく感じら
  れる。そこでこの日見られた、おそらく間違
  いなく違う種類だと思うスミレの写真を載せ
  てみる。

   違いを細かくみようとすればもっと多いは
  ずであるが、どうもスミレは区別しにくい。

   ほかにはテンナンショウや木の花ではアオ
  キの花が咲き始めていた。
 
   
 
         山頂からは一丁平に行ってみることにする。
     ここはサクラの名所でもあるので様子を見
    に行くつもりだ。

     下り道の両側にずっとモミジイチゴが咲い
    ている。下向きに花をつけているので下から
    撮ることにした。それにしてもこの木は大垂
    水峠あたりまでずっと咲いている。

     さらにスミレに交じって大きな花のクサイ
    チゴも時々顔を見せていた。

 
   
   モミジイチゴ  クサイチゴ
      ミツバツツジが満開だった。

   ここはほぼいつも来るところでもあり、多
  くの人が見とれていた。

   ヤマブキも山吹色の花が満開だ。

   あーちゃんが「見事なミツバツツジね!」

   ここから樹林帯になり、ところどころテン
  ナンショウや陽が足りないためか半ば開いた
  だけのコミヤマカタバミが見られたに過ぎな
  かった。
   ミツバツツジ
         一丁平に着いた。ここも大勢の人が休憩し
    ていた。

     われわれも少し早いお昼にした。

     サクラはほぼ満開だったが曇り空なのがや
    や残念。サクラのほかにはタムシバがあった
    が、枯れ始めた花が多かった。

     休憩後、大垂水峠への道を行くべくここか
    ら少し戻ることにした。
    
     「学習の道」と書かれた道標に沿って大垂
  水峠に向かう。あーちゃんが「裏高尾の喧騒
  とは大違いだね。」といったとおり、山腹を
  巻くほぼ平坦な道にはほとんど人の気配がな
  く、数人と行きかっただけだ。

   やや日差しが出てきて、一丁平手前あたり
  にたくさん現れたエイザンスミレが良くみら
  れる。スミレでもこれだけは葉の形が大きく
  異なるからよくわかる。
 
 
     エイザンスミレ
     食べごろのヤブレガサが二つあった。

   キジムシロの黄色が時々現れ、彩りを添え
  る。

   曲がったところの日当たりの良い場所に、
  きれいなセンボンヤリが数株見られた。そこ
  だけにしかみられなかった。結構どこにでも
  咲く花ではあるが、数年前に丹沢で見て以来
  だ。
 
     ヤブレガサ
       下りに入って、小さな水の流れを2つ3つ
    越す。そこにはヨゴレネコノメが咲いていた
    が、もう種ができ始めていた。

     大垂水峠に着く。国道20号線を跨線橋で
    渡る。登山者やトレラン者しか渡らないのに
    立派な鉄の橋がかかっていた。そこに「関東
    ふれあいの道」なる看板があった。

   センボンヤリ  
       ここから樹林帯を上り下りする。東京都と
    神奈川県の境の道だそうで、首都圏自然歩道
    に指定されているらしい。

     ここにヤマルリソウとヒトリシズカが咲い
    ていた。これらもほんの一か所に見られたに
    すぎなかった。

     尾根道なので結構アップダウンが多く、ま
    た標高も低いので見晴らしはあまり効かない。
    ところどころで木の間越しに津久井湖の一部
    が見える程度。ただ、自然歩道らしくところ
    どころにベンチが設えられており、標識もう
    るさいくらい建っている。
  関東ふれあいの道の看板    
 
   ヤマルリソウ  ヒトリシズカ
     大垂水峠から1時間ちょっとのところに見
  晴らしと言う場所があり、津久井湖や対岸の
  家並みが見渡せる場所があった。この辺りは
  標高が低いのでもう葉桜が多かったが、まだ
  咲いているサクラ越しに眺められた。

   ベンチには木造りのザック架けが作られて
  おり、そこにザックをひっかけてベンチで休
  んでほしいという製作者の心づもりらしい。
   トレラン者と話していた先着の登山者が、
  「ここにホタルカズラが咲いてますよ。」と
  教えてくれた。

   初めて見る花だ。きれいなグラデーション
  になっている。今日一番の収穫だった。

   その後、また単調な道が続く。このあたり
  の林はアオキがたくさんあり、小さな花をつ
  けていた。

 
    見晴らしからの景色 
         その林の中に、時々クサボケのオレンジと
    ヤマブキの黄色が目を楽しませてくれた。

     三沢峠から梅ノ木平を経て高尾山口に行こ
    うとしていたが、そこの標識はさらに先の草
    戸山経由の方が1.5キロ近いと読める。
     2.5万図を見るとそっちの方が少し遠い
    が、もしかして地図にない新しい道があるの
    ではと思いそちらに行ったが結果は遠回りだ
    った。標識を信じたのが悪いのかもしれない
    が、明らかに標識の間違いだ。なんとなく釈
    然としないラストだった。

   ホタルカズラ  
     
   クサボケ  ヤマブキ
 

 


    下山口周辺ではレンゲツツジも咲き始めており、ウグイスカグラもいくつか見られた。

    歩いていれば汗をたっぷりかくが、休憩しているとひんやりする季節だ。

    計画を3週間程度遅らせて訪れたのは花の適期としては正解だったと思う。新緑の出始め
   もきれいだった。



    ケーブルカー終点 10:05  高尾山頂 10:44  一丁平 11:28  大垂水峠
    
    12:35  大洞山 13:10  見晴し 13:45  三沢峠 14:45  草戸山

    15:00  高尾山口 16:40



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