櫛形山


                           2016年7月4日


   今年は7月上旬から中旬にかけて櫛形山にアヤメを見に行こうと計画していた。
  情報では6月末からアヤメが咲きだしていてシカの食害から全滅に近い状態がかなり回復
 したらしい。ここのところ梅雨空が続いているが、4日は午前中は天気が良く南アルプスの
 山々も見えるかもしれないと考えた。

  南アルプスの山々の4日の天気予報は晴れのち曇りであり、ウェザーニュースのこの付近のそれは晴れのち
 曇り午後一時雨だった。午前中に北岳方面が見られるといいなと中央高速を走っていたが、山は上の方が雲に
 覆われていた。今回は池の茶屋の駐車場に止めて歩くことにした。

     池の茶屋駐車場への道路標識は明瞭で、迷
  いなく行けた。ただこの丸山林道は結構長い。
  ありがたいのは全線舗装されていることで、
  駐車場近くの2キロほどは立派な舗装路だっ
  た。駐車場には2台が停まっていた。

   櫛形山には近年トレッキングコースが西側
  に作られたそうだが、まだ国土地理院の地図
  には載っていない。

   準備をして出発。入口にこのような標識が
  立っていた。
  標 識
     幅の広い緩やかな道に作られており、この
  先約30分のところにある北岳展望台までは
  車椅子でも行けるように整備されている。

   キバナヤマオダマキだけがたくさん咲いて
  いた。

   すぐに展望が開け、笊ヶ岳が見えた。案内
  板によるとここから聖岳や赤石岳などが見え
  るそうだが、残念ながら山頂部は雲の中だっ
  た。
    キバナヤマオダマキ
        周囲は主にコメツガの林で、エゾハルゼ
     ミの鳴き声が少しと野鳥のさえずりが聞こ
     えるだけで、とても静かだ。

      ほどなく北岳展望デッキに着いた。

      晴れていれば北岳が手前の緑の山のすぐ
     右側に見えるはずだが、今日は雲に覆われ
     ていた。
  笊ヶ岳を望む
        ここからは普通の登山道になる。開削さ
     れてまだ年数が経っていないからか、花は
     タニギキョウが見えただけ。シダ類がたく
     さんあり、バイケイソウが多いがまだ開花
     したものはない。ほかにはマイヅルソウや
     コミヤマカタバミの葉が見られるだけで、
     これも花をつけるほど成長してないように
     思う。

      かなり下ってもみじ沢というところまで
     導いているが、そこからまた登りになる。
     紅葉のころはさておき、たつさんが「せっ
     かくトレッキングコースにするなら水平道
     にすればいいのに。花もないここを通るの
     は考えものだね。」と言っているところに
     旬の終ったカモメランが一株残っていた
  北岳展望デッキ
 
  タニギキョウ カモメラン
     裸山のコルからゆるいアップダウンの道を
  歩いて、アヤメ平に着いた。

   鹿よけの柵が張り巡らされており、ここの
  ドアを開けて中に入る。

   中には比較的新しい木道が敷かれており、
  その両側一帯にたくさんの花が咲き乱れてい
  る。

   あーちゃんが、「これは見事ね!!」

   まずはアヤメ、ミヤマキンポウゲ、タカネ
  グンナイフウロ、キバナヤマオダマキである。
    鹿よけの柵
 
  アヤメ ミヤマキンポウゲ
 
  タカネグンナイフウロ キバナヤマオダマキ
     そのほかにタカネニガナ、シロバナタカネ
  ニガナ、テガタチドリ、オオヤマフスマがあ
  り、一株だけ白のテガタチドリがあった。

   この白のテガタチドリはひときわ輝いて見
  えた。

   ここの花をしばらく堪能し、柵外へ出た。

   アヤメ平避難小屋が立っていた。
  タカネニガナ
 
  テガタチドリ シロバナテガタチドリ
     もう少し先でお昼にしようということにな
  り、もともとからの登山道を裸山へ向かう。

   このあたりからは緩い登りが続くが、ここ
  からは花は少ない。コバノイチヤクソウが少
  し見られ一部の株が開花し始めていた。

   一方で櫛形山名物のサルオガセがところど
  ころで見られる。
    コバノイチヤクソウ
        今までもこれ以降も道は主に針葉樹の枯
     葉が敷き詰められたようになっており、と
     ころどころ木の階段はあるものの、岩や木
     の根がほとんどなく、足への負担もなくて
     歩きやすい。

      あーちゃんが、「どちらかというと初心
     者向きの山だね。」

      「花の百名山、山梨百名山 櫛形山」の
     標識が見えて裸山に着いた。

      標識周辺に2つの保護柵が張り巡らされ
     て、中でたくさんのアヤメが咲いていた。
   サルオガセ
        ここから少し登ると裸山の山頂。

      富士山が山頂部だけ見えた。

      山頂には2組6人が休憩していた。われ
     われは標識のところに戻って日蔭で昼食を
     とることにした。

      保護柵の周りを伝って下りるが、オオヤ
     マノフスマとアヤメが咲いていた。オオヤ
     マノフスマは名前がわからなかったが、葉
     っぱの感じが鳥海山で見たチョウカイフス
     マに似ていたのでからフスマだろうと話し
     ていた。帰ってから確認した。
  標 識
        大きな方の保護柵にはところどころにの
     ぞき窓が開いていて全体が見られるように
     なっている。

      アヤメ平よりもずっと多くのアヤメが見
     られた。

      櫛形山を目指す。ここからはずっと緩い
     アップダウン。マルバダケブキがたくさん
     あったが、まだ一部に蕾がついているだけ
     だった。
  オオヤマノフスマ
   
  アヤメ 
      巨木がたくさん見られる。これはカラマ
   ツの巨木で、推定年齢約300年、幹回り
   8mとあった。パワースポットと考え、幹
   に触れてパワーをもらってきた。

    櫛形山山頂は樹林に囲まれているが、南
   東部が開けて素晴らしい富士山が見られた。

    ここから登山口までの途中に櫛形山最高
   地点があり、ダケカンバの巨木がいくつか
   見られた。

    その後は前方に南アルプスの山々が見渡
   せるベンチがあった。残念ながら雲に覆わ
   れていた。
    カラマツの巨木 
 
  富士山
 

 


    期待した南アルプスの山々の眺望は残念だったが、富士山はきれいに見られた。アヤメ平の
   アヤメはまだ数は少なかったがテガタチドリやタカネグンナイフウロ、ミヤマキンポウゲなど
   たくさん咲いていた。裸山のアヤメは見事で、また2,3年経ってどの程度回復しているのか
   見てみたいと思った。

    下山後、温泉に浸かるまでは晴れていたが、高速の入り口に向かう途中北の空が黒くなり、
   強風が吹いてきた。大月あたりで雷雨となり、土砂降りの雨が都心近くまで続いた。いい時間
   帯に登ることができ、ラッキーだった。


   池の茶屋駐車場 9:07  北岳展望デッキ 9:33  もみじ沢 10:12  アヤメ平

   11:10  裸山 11:51  櫛形山 12:48  登山口 13:29


トップに戻る  山の花の道に戻る