黒岳〜北海岳


                          2023年7月19日


   今年の夏の大雪山は一日目に黒岳から北海岳を、二日目に赤岳を歩く計画にした。

  7月に二人で黒岳に登るのは実に10年ぶりである。当初は以前歩いていたお鉢廻りをしようかと話し
 ていたが、あーちゃんの今の体力を考えると難しいと判断し、黒岳から北海岳を往復する計画とした。
 そして北海岳からの帰りのリミットを12:50とした。
  黒岳と北海岳は過去に何回か歩いているが、いずれも北海岳から黒岳への下りだけだった。

     一日目出発点の層雲峡の天気予報は、朝の
  うち曇りで昼頃から晴れとなっていた。

   6時始発のロープウェイに乗るべく駐車場
  に入ったが、3連休後の平日のせいか、登山
  者の数は少なく、始発の便はガラガラだった。

   リフトも営業前で少し待って乗ることにな
  った。


   7合目でおりて入山のチェックをしてスタ
  ート。ここまではやや見通しはあるが霧だっ
  た。

   エゾノレイジンソウ、アラシグサ、チシマ
  ヒョウタンボクが咲いていた。

    エゾノレイジンソウ
 
   アラシグサ チシマヒョウタンボク
     登山道は八合目付近まではかなりぬかるん
  でいる。これはいつものことで、7月に何度
  か歩いているが雪が残っていないだけましだ。

   道の両側におびただしいほどのウコンウツ
  ギが咲いている。ここの登山道をまだ雪が残
  っている7月に歩いたことがあるが、こんな
  に咲いていたという記憶がない。

   きれいに咲き始めたハクセンナズナが見ら
  れ、ウズラバハクサンチドリやチシマノキン
  バイソウも現れた。
    ヤマツツジ 
   
  ハクセンナズナ ウズラバハクサンチドリ
       ハクセンナズナとウズラバハクサンチドリ
    は一株しか見られなかったが、ハクサンチド
    リはたくさん見られた。

     ミヤマキンポウゲや咲き始めのトカチフウ
    ロも見られた。九合目付近でもチシマノキン
    バイソウなど花は結構見られるが、咲いてい
    る種類が少ないように思えた。

     山頂近くで見られるはずのクロユリを探し
    たが、今回見られなかった。この斜面では、
    まだ多くの花が遅れているように感じた。
  チシマノキンバイソウ
 
  ハクサンチドリ トカチフウロ
    黒岳山頂に到着。

  山頂での晴れを期待したが、霧のまま。ただ
 風がないのが幸いである。

  ここからはそれまで登ってきた道に見られる
 のと違った植生であるため、黒岳石室に向けて
 エゾツツジやコマクサ、チシマキンレイカ、イ
 ワブクロ、シロサマニヨモギ、メアカンキンバ
 イなどがたくさん咲いている。

  特に石室近くではエゾノツガザクラやアオノ
 ツガザクラ、チングルマがたくさん。あーちゃ
 んが「ここでこんなにたくさんの花を見るのは
 初めてのような気がする。」
  エゾツツジ
 
  チシマキンレイカ イワブクロとコマクサ
 
   シロサマニヨモギ メアカンキンバイ
 
  エゾノツガザクラ チングルマ
    黒岳石室で少し休んで北海沢への道を歩き出
 す。ここは雪が遅くまで残るので、雪田性の花
 がたくさん見られる。

  また北海沢から北海岳へのコースは、今まで
 も何回も歩いているがいずれも帰り道で歩いて
 おり、行きに歩くのは初めてである。

  すぐにエゾコザクラ、ミネズオウ、キバナシ
 ャクナゲなどが見られた。
  エゾコザクラ
       アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ、交
    雑種のコエゾツガザクラ、チングルマ、ミヤ
    マキンバイ、キバナシャクナゲなどが咲き誇
    っている。

     特にツガザクラ類が見事だ。

     北海沢を渡渉して対岸に渡り、ミヤマハン
    ノキの間の道をいったん登り、沢に下って沢
    筋の道を歩くと、そこはエゾコザクラやアオ
    ノツガザクラ、エゾノツガザクラ、ミヤマキ
    ンバイなどの雪田性の花がたくさん咲いてい
    る。
  ミネズオウ  
 
  ツガザクラ類とエゾコザクラのお花畑
    そんな花に混じってハクサンボウフウもあっ
 た。

  再び小沢をわたると、北海岳への登りになる。

  ここからはところどころでハンノキの間を通
 るが、ほとんどがザレ場の道だ。

  イワヒゲ、エゾツツジ、コマクサ、メアカン
 キンバイなどが見られた。この道でエゾツツジ
 を見たのは初めてのような気がする。

  チシマクモマグサももう咲き始めていた。
  そしてイワブクロが見られた。
    ハクサンボウフウ
 
   イワヒゲ エゾツツジ
 
   コマクサ メアカンキンバイ
       このあたりで、ほんの少しの間霧がうすく
    なり、あたりの山並みが見えた。これから予
    報では天気が良くなると思っていたが、また
    霧に覆われてしまった。

     しばらく登るとシロイロイワブクロが現れ
    た。以前からこの道にはこれがあることを知
    っていたので、なんだか懐かしい気がした。

     ヒメイワタデやクモマユキノシタも見られ
    た。
   イワブクロ  
 
  シロイロイワブクロ  ヒメイワタデ
 
     北海岳山頂まで標高差約100mのところ
    で、あーちゃんが、「明日の赤岳のことを考
    えたら、今日は何も見えないし、このあたり
    までかな?」というので、今日の山頂はここ
    にして、2つ目の小沢をわたったところまで
    下りて昼食にし、戻ることにした。
  クモマユキノシタ  
 

 


    山の天気は層雲峡の予報通りとはいかず、終日霧に覆われた一日だった。

    それでも風がないのと霧が濃くなかったので、多くの花をじっくり見ることができた。

  七合目 6:48  黒岳山頂 8:19  石室 9:08  北海岳途中 11:00

  黒岳 13:19  七合目 14:55


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