黒 岳


                          2020年9月9日


   前日、赤岳に登って紅葉がやっと少し色づき始めたことを確認した。赤岳の標高2000m
 の状態があの程度であったので黒岳も期待できないが、折角来たこともあって登ってみること
 にした。

  当初の予定では、2日目に黒岳、3日目は旭岳の裾合平から中岳分岐まで行って、そのあたりの紅葉を
 愛でるのが目的だった。中岳分岐が望まれる北鎮分岐までは行ってみようと出かけた。

     黒岳のロープウェーは始発が6時。それに
  間に合うように宿を出た。

   今日も快晴だが予報では風があるという。

   ロープウェーを降りてリフトで7合目まで
  行く。

   リフトの下にはオヤマリンドウがたくさん
  咲いており、シロバナのリンドウがかなり多
  く見られた。
    白色のオヤマリンドウ
     7合目から山頂まではおよそ1時間半だが、
  大きな岩も多く、梯子はないものの結構急な
  登りだ。

   初夏はまだ雪が残っていることもあるが、
  両側には多くの花が見られ、黒岳山頂以降で
  見られる花と植生が異なるので好きな道だ。

   ウメバチソウとトリカブトの残り花が見ら
  れた。
    ウメバチソウ
       8合目と9合目にはベンチも置いてある。

     ニセイカウシュッペ山がバックにきれいに
    見え、9合目を過ぎるとマネキ岩が見られる。

     このあたりも紅葉がきれいだが、わずかに
    色づいている程度であった。
  トリカブト
       マネキ岩を下に見るようになると山頂はす
    ぐだ。山頂に出たとたんに風が強くなった。
    いままでは山の陰になっていたためわからな
    かったが、相当の風で、着込んだパーカーが
    バタバタと鳴り通しだ。
    
     眼前に大雪の山並みが展開する。今までと
    は打って変わって雄大な眺めだ。ほぼ快晴な
    のですべてが見える。

     谷に向けた斜面は少し色づいているのが見
    える。
  マネキ岩
 
  雲の平方面を望む
     あーちゃんはこの先は行かないというので、
  たつさん一人で歩く。

   ここから雲の平を通って、北鎮分岐へ向か
  うが、風があるため、黒岳山頂ではどこまで
  行くかは迷っていた。一番の原因は紅葉の道
  ではなく、どちらかと言えば晩夏の道だから
  だ。

   まずは黒岳石室までと決めて、歩くとイワ
  ギキョウがハイマツの陰で咲いていた。
    イワギキョウ
     ここから次は雲の平までと決めて歩く。何
  とコマクサが一株残っていた。

   ここからはゆるい傾斜の道となり、とにか
  く歩いていて気持ちが良い。風も山頂ほど強
  くはない。

   歩いているうちに北鎮分岐までと決めた。

   ウラシマツツジは赤く色づいている。

   チングルマの綿毛も逆光できれいに見えた
  が、葉はまだ色づいてはいなかった。

    
  コマクサ
 
   ウラシマツツジの紅葉 チングルマの綿毛
     雲の平周辺で一番色づいているナナカマド
  が右の写真。やっとオレンジになった程度だ。

   黒岳山頂から一旦下ったあと、小さなアッ
  プダウンを繰り返すこの道は2キロほど。サ
  クサク歩けて気持ちよい。

   振り返ると左に北鎮岳、右に黒岳とさらに
  後方にニセイカウシュッペ山が見える。
  雲の平で最も色づいていたナナカマド
 
  北鎮岳(左側)と黒岳(右側) 雲の平から振り返る
     雲の平のその先がお鉢平展望台になり、お
  鉢が一望できる。

   お鉢は大雪山のカルデラの火口跡で、直径
  が約2キロある。今も火山性ガスが発生し、
  この中には立ち入れない。展望台に近づくに
  つれ、硫黄の匂いがした。

   お鉢を囲む外輪山を周回するルートも何回
  か歩いたがここも気持ちの良い道だ。

   ここを過ぎて標高差約150mのガレ場を
  登って北鎮分岐に着いた。着いたとたん、黒
  岳で感じた以上の強風が吹いていた。
  お鉢を眺める
   
  旭岳と裾合平方面の眺望
     奥の高い山が旭岳。左の稜線がお鉢を囲む
  外輪山。その一番近いピークが中岳でそこを
  下がったところが中岳分岐だ。

   ここからみてもこの方面は紅葉のかけらす
  ら見えない。

   北鎮岳は旭岳に次いで北海道で2番目の高
  さの山で、以前ここに登って知床連山まで見
  えたことがあった。

   風が強いので雲の平方面へ降りて、風のな
  いところで昼食にし、黒岳7合目まで引き返
  した。
  北鎮岳
 

 


    黒岳から北鎮分岐まで歩いてきた。

    黒岳から先は風が強かったが、ゆるい傾斜の雲の平までとても気持ちの良い道だった。

    快晴でもあり、これで紅葉が見られたら最高だったが・・・。

    あーちゃんは先に下り、層雲峡にある写真家市根井孝悦さんの大雪山写真ミュージアムで
   大雪などの写真を堪能したそうだ。


  7合目 6:34  黒岳山頂 8:00  お鉢展望台 9:32  北鎮分岐 9:59

  黒岳石室 11:12  8合目 12:02  7合目 12:26



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