≪2日目  
      17時半ころから雨がポツポツ降り出した。降ったりやんだりで、夜遅くまでそんな状態だ
   った。

    カメラが不調なので明日の行動を考える。御池は電波が届かない圏外なので、スマホの電源
   は切ってあるが、明日スマホを使って撮らざる得ないと思うが、どこまで電池が持つかが不安
   だ。朝起きて、天気の状況では今回の目的のタカネマンテマの花だけを目指して行き、明日中
   の下山も考えた。

     4時過ぎに目が覚め、外を見てみたら曇り
  で鳳凰三山も一部が見える。北岳山頂は雲が
  かかっていて見えないが、吊尾根などははっ
  きり見える。

   そこで今日は、右股から肩の小屋を経由し
  て山頂に登り、花の素晴らしいトラバース道
  には行かずに引き返して草すべりを降り、テ
  ントを撤収して帰るルートを選択した。

   カメラは昨日と全く同じ状態で、今日は使
  えないことがわかったがとりあえず持ってい
  くことにした。
    シロウマオウギ
     以前、広河原から北岳肩の小屋に行ったと
  きにスマホの電源を切ることを忘れたら、小
  屋に着いた時には電池がほとんど残っていな
  かったのを経験していたので、写真を撮ると
  きだけスマホの電源を入れ、撮ったらまた切
  ることにした。

   7月下旬から8月上旬にかけては、御池ス
  タートの時はほとんど八本場のコルに向かう
  ので、右股は登ったことがない。

   タカネナデシコやシナノオトギリ、コバノ
  コゴメグサなどが咲いている。
 
     右股ルートには、やや傾斜の緩い草地があ
  ってそこは鹿よけの防護柵で覆われている。
  防護柵で覆われていない草地を見てみたら、
  ミヤマチドリを見つけた。

   今回、見られたらいいなと思っていた一つ
  で、昨日からここで初めて見る花に出会える
  幸運にありつけている。

   その後ミヤマチドリはいくつも見かけたが、
  ここのミヤマチドリは背丈が小さい。

   北海道の山でもずいぶんみているが、半分
  以下の大きさだ。

   また、ホザキイチヨウランも草地で見られ
  た。このラン科の植物に出会ったのも7、8
  年ぶりだ。
    ミヤマチドリ
       右股コースからは鳳凰三山が全部雲海の上
    に見えた。

     また一時的にではあるが、雲の切れ間から
    青空が北西の方向に見られた。日差しも出て
    きたが、これはほんの20〜30分程度で、
    その後再び雲が広がった。
   ホザキイチヨウラン
       草すべりからのコースと合流した後は、花
    のオンパレード。

     もう初夏に咲くショウジョウバカマやハク
    サンイチゲなどは見られないが、シナノキン
    バイ、ミヤマキンポウゲ、エゾシオガマ、タ
    カネグンナイフウロ、ヨツバシオガマ、ウラ
    ジロタデ、ハクサンフウロ、ツマトリソウ、
    ウサギギク、テガタチドリなどが見られた。

     そして北岳では初めて見ることになったが、
    ネバリノギランがあった。

     このあたりから電波が拾えたのでスマホの
    電源は入れっぱなしにしておいた。
  一瞬見えた青空
 
  エゾシオガマ タカネグンナイフウロ
       小太郎分岐への最後の斜面は、もう消えて
    はいるが雪が遅くまで残るところで、雪田性
    の植物が見られる場所である。

     チングルマやアオノツガザクラが咲いてい
    た。チングルマは北岳ではここと北岳山荘手
    前の雪が残る場所に見られる。

     そしてアオノツガザクラのそばに、メアカ
    ンキンバイに似た葉があり、良く見てみたら
    タテヤマリンドウだった。今日みたいと思っ
    ていた花が、思いがけなく見つけられた。

     さらにアカイシミヤマクワガタもあった。
  ネバリノギラン
   
  チングルマ アオノツガザクラ
 
  タテヤマキンバイ  アカイシミヤマクワガタ
     小太郎分岐では仙丈ヶ岳が雲の中に何とか
  見える程度だった。

   もうオヤマノエンドウやハクサンイチゲ、
  ミヤマキンバイ、チシマアマナなどの初夏の
  花は終わっていたが、ムカゴトラノオやタカ
  ネツメクサなどが咲いていた。

   肩の小屋には多くの登山者が、山頂から降
  りてきていた。

   タカネマンテマを見に行く。いつものとこ
  ろに少し株が増えたかなと感じたが、ちょう
  ど見ごろの花はなかった。咲き終わった花と
  これから咲く蕾だけでなんとも残念だった。
     タカネマンテマ
     周囲は霧で全く見えないので、山頂へは行
  かずに引き返した。

   肩の小屋までに、チョウノスケソウ、ミヤ
  マオダマキ、ミヤマシオガマ、シコタンソウ、
  チシマギキョウ、シロウマオウギ、イワオウ
  ギ、ハハコヨモギなどが見られた。
  チョウノスケソウ 
   
   シコタンソウ ミヤマシオガマ
   
  チシマギキョウ ハハコヨモギ
 

 


    草すべりの下りであと15分ほどでテン場に着くころから雨になった。

    テントの中でしばらく雨のやむのを待ち、その後撤収して下山した。

    カメラが正常であれば、この日はトラバース道や間ノ岳途中まで行く予定だった。ただ今回
   の目的はほぼ果たせし初めて見た花もいくつかあり収穫のある北岳だった。

    なおカメラは家に帰って電池ボックスを開けて乾かしたら、翌日ほぼ正常に作動した。これ
   もラッキーだった。


   広河原 12:20  最初の橋 13:09  二股 14:34  御池小屋 15:04

   御池小屋 5:22  草すべり・右股分岐 7:09  小太郎分岐 7:29  肩の小屋
   7:54  再び肩の小屋 8:53  小太郎分岐 9:12  御池小屋 10:25
   広河原 12:53


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