タカネヤハズハハコやシラネヒゴタイが
  咲くのを見ながら北岳山荘に着いた。

   今日はここから間ノ岳方面へ向かって、
  中白根付近から北岳の写真も撮りたいと思
  っていた。

   前方を見ると間ノ岳が青空の中に屹立し
  ている。稜線に出ると西からの風があり、
  やや寒い。気温を見ると17℃。風がある
  ので体感温度はもっと低い。
  タカネヤハズハハコ
       振り返って北岳方面を見ると、青空はある
    ものの雲が湧いてきている。

     中白根まで登っているうちにガスがもっと
    濃くなるだろうと思い、その途中の岩の上に
    簡易三脚を立てて準備した。

     下の一枚を撮ってから山頂付近にガスがか
    かった。晴れることを期待して待つことにし
    た。

     風よけのためレインウエアの上着を着て、
    行動食を食べながら水を飲みながら待つ。
  間ノ岳  
 
  中白根途中からの北岳
     おそらく北岳山荘に昨夜泊まって、今日早
  く間ノ岳に向かったのだろう、サブザックの
  集団が何組か降りてきた。

   40分くらい待ったが一向に山頂部が現れ
  ないため降りることにした。

   北岳山荘でまた軽食を口にして、ふと水場
  への道に何か咲いていないか歩いて行ったと
  ころ、チシマヒョウタンボクがあった。もう
  終わりかけの花ではあるが、北岳でこの花を
  見たのは初めてだった。
    チシマヒョウタンボク
       ここから北岳へ向かう。この道の途中でタ
    カネマンテマとキタダケキンポウゲに会える
    ので今日のハイライトとして楽しみに歩き出
    す。

     タカネシオガマがあったが、今回は大きな
    群生がいくつか見られたものの、全体に数は
    少なかった。この花は一年草なので、咲く年
    とそうでない年がある。

     チョウノスケソウもまだ残っていた。これ
    もこの先結構見られた。

     シコタンソウの群生もほぼ例年通りかなり
    見られた。
  タカネシオガマ
 
  チョウノスケソウ シコタンソウ
       シコタンハコベが見られた。山頂までにと
    ころどころ咲いていたが、この花もどちらか
    といえば晩夏の花だ。

     そしてキタダケキンポウゲがちょうど見ご
    ろで咲いていた。高さが6,7センチ、花の
    直径が5,6ミリの小さな花だ。一か所に5
    つの株があったが、すべてを入れるには立っ
    ているところとカメラの位置が90度近く異
    なるためピントを合わすのが難しかった。

     また今年はこの時期にムカゴユキノシタが
    結構見られた。もう終わりがけでムカゴをつ
    けていた。
  シコタンハコベ
 
  キタダケキンポウゲ ムカゴユキノシタ
     タカネマンテマは3か所で見たが、2か所
  はもう風船みたいな顎が上を向いて花が終わ
  ってしばらく経ったことを示している状態だ
  った。

   この株には先端にピンクの小さい花があっ
  たが、花の周りは枯れ始めていた。この花の
  いい状態を撮るのはまた来年以降になる。

   タカネヤハズハハコがあり、山頂に近い直
  登の岩場にアカイシミヤマクワガタがちょう
  ど顔をこちらに向けて撮ってくださいとばか
  りに咲いていた。この辺りでこの花を見たの
  は初めてである。
  タカネマンテマ
 
  タカネヤハズハハコ アカイシミヤマクワガタ
     北岳山頂は10数人の人たちがいたが、ガ
  スでなにも見えなかった。

   肩の小屋について休憩する。多少視界は開
  けたが周囲の山々が見えるというものではな
  い。

   しばらく休んだのち、小太郎分岐に向けて
  歩きだす。

   小太郎分岐付近は比較的雪が残る地形であ
  り、ここには雪田性の植物が見られる。

   ハイマツの陰にウサギギクが、そしてチン
  グルマやアオノツガザクラ、ハクサンイチゲ、
  コイワカガミが見られた。
 
    ウサギギク
 
  チングルマ アオノツガザクラ
     小太郎分岐下はシナノキンバイの群生地で
  あるが、今年は数が非常に少ない。ところど
  ころにしか見られなかった。

   少し下方にシカの食害から植物を守る柵が
  設けられている。何年か前にここを通った時、
  その工事をしてたのに出くわしたことがある。

   柵の中は結構背丈の大きいヨツバシオガマ
  などが咲いていた。

   きれいなハクサンチドリがあった。

   この辺りのクロユリはもう見られなかった。
  高山植物保護柵の看板
 
  ハクサンチドリ シナノキンバイ
     テガタチドリが見られた。

   御池小屋までのこの道ではダケカンバの林
  の中のマルバダケブキの群生が見事だった。

   また、セリバシオガマがかなり咲いていた。
  この花は少しの風でも揺れてなかなかいい写
  真が撮れない。今回も3か所で相当数写した
  がほとんどがピンボケで、ここで何とか一枚
  撮れた。

   草すべり下部までに、クルマユリ、ハクサ
  ンフウロ、ウメバチソウ、シモツケソウ、オ
  ニシモツケ、クガイソウなどが見られた。
    テガタチドリ
 
  セリバシオガマ クガイソウ
 

 


     北岳に盛夏の花々を見に行った。

     今年は花の開花が早く、いつもなら8月上旬以降に咲く花も開花していた。一方、大樺沢沿い
    のミヤマハナシノブなどや山頂周辺に咲くタカネシオガマは数が少なかった。

     トラバース道のお花畑はいつも通り見事だった。


   広河原 12:58  二股 14:58  御池小屋 15:22

   御池 4:57  上部二股 6:15  八本場のコル 7:10  トラバース分岐 7:43
   北岳山荘 8:42  山荘発 10:10  北岳山頂 11:42  肩の小屋 12:33
   御池 14:30

   御池 5:45  広河原 7:12


トップに戻る  山の花の道に戻る