朝4時前に起きた時の夜空は、雲がうっす
  らかかっている部分もあったが星もたくさん
  見られた。

   5時過ぎ、テン場からは朝日に映えた北岳
  山頂部がきれいだ。
    北岳山頂部の朝焼け 
     二股から大樺沢を詰めて八本場のコルへ向
  かう。

   まずはミヤマハナシノブが迎えてくれた。

   予想では、今夏は雪が多かったのでこの道
  沿いにはまだ花がかなり残っていると思って
  いたが、ずっと少ない。もう大部分が咲き終
  わっていたようだ。

   ヤマホタルブクロはたくさん残っていた。
    ミヤマハナシノブ
       ヤマハハコ、ミソガワソウ、ミヤマハナシ
    ノブ、タカネグンナイフウロ、タカネナデシ
    コなどのちょっとした群生がところどころ見
    られる以外は、ウラジロタデやオオヨモギ、
    タカネスイバなどのちょっと背の高く地味な
    植物が大部分だ。

     そんななかで、エゾムカシヨモギと一輪の
    クルマユリに出会った。

     エゾムカシヨモギは帰ってから図書館で調
    べて分かったが、見た時は何だかわからなか
    った。たつさんは一か所だけでしか見ていな
    いが、あーちゃんはいくつか見たよと言って
    いた。北岳で初めて見た花だ。
  ヤマホタルブクロ
 
  タカネナデシコ タカネグンナイフウロ
 
  エゾムカシヨモギ クルマユリ 
     大樺沢から尾根へ向かう地点でウサギギク
  がたくさん咲いていたのと日蔭があったので
  休憩。

   ここから梯子の道となる。バットレスを見
  ながら大小合わせて20か所くらいの梯子を
  登って八本場のコルに着いた。

   間ノ岳が雄大だ!
    ウサギギク
 
  八本場のコルからの間ノ岳
 
   シロバナタカネビランジが残っているかな
  と思いつつ歩き始める。

   八本場のコルを7月下旬から通るときは、
  この花を見ることが大きな目的となる。

   岩場にまだ残っていた。

   ここのはシロバナといっても薄いピンクに
  見える。
    シロバナタカネビランジ
       じぇ、じぇ、じぇ!

     この写真を撮った後で、カメラの電池切れ
    の表示! 「なんでだ?」と思った。家を出
    る前にフル充電してきたので、この時期で今
    までと同じ使い方なら2日目の朝に切れるは
    ずはない。

     一方で、予備の電池は何とテントの中に忘
    れてきていた。

     これからが花が多くみられるところなのに
    ……と思い、さてどうするか? スマホで写
    すことにした。
   シロバナタカネビランジ  
     ただ、スマホを使い始めてから半年になる
  が、これで写真を撮ったことは少なく、また
  ピンボケの写真も結構あって使い方に慣れて
  いないのが不安材料。

   トラバース道で富士山をズームで撮ったの
  もどうもよくないし、運よく咲き始めていた
  ヒメセンブリやアカイシリンドウ、サンプク
  リンドウはアップでぼけていた。

   そのうち何とか使い方がわかってきた。

   秋の花、サンプクリンドウはたくさん咲い
  ていた。
  サンプクリンドウ
     トラバース道にはまだ旬のキタダケトリカ
  ブトとヤナギランを始め、多くの花は見られ
  たが、すべて残り花であった。

   トウヤクリンドウも花を閉じてたのが9割
  以上。

   コバノコゴメグサ、キンロバイ、イブキジ
  ャコウソウ、タカネシオガマ、ウメバチソウ、
  キタダケヨモギ、イブキトラノオ、ミネウス
  ユキソウ、ミヤママンネングサなどが何とか
  見られた。
    コバノコゴメグサ
       スマホについているカメラの画素数は大し
    たものだし、通常の撮影には何ら問題ないが、
    花の写真で光が強いときの白や黄色の花を撮
    る場合、条件を変えることが一切できないの
    で左のような白トビになってしまう。

     景色の撮影はスマホのカメラは素晴らしい
    と思った。トラバース道を過ぎて北岳山頂へ
    向かう尾根から撮った間ノ岳と遠方、塩見岳
    はとてもきれいに写っている。

  ミヤママンネングサ  
   
  北岳への稜線からの間ノ岳、塩見岳
 
   ここの稜線に出たら風が冷たく、レインウ
  ェアを着こんだ。

   ここも花は終わりで、わずかにシコタンソ
  ウやたつさんの好きなシコタンハコベが残っ
  ていた。また、チシマギキョウやタカネヒゴ
  タイも少しだけ見られた。

   そして山頂付近でヒメシャジンが見られた。
  この花を見た時も過去に見たミヤマシャジン
  と違うなと思って、帰ってから調べて分かっ
  たものだ。

   これも北岳で初めて見た花だった。

    シコタンハコベ 
 
     山頂には多くの登山者が休憩してた。ここ
    には何回も来ているが、この時期でしかも平
    日なのにこれだけ多くの人がいるのは初めて。

     周囲の山々は、鳳凰三山方面に雲がかかっ
    ていたが、ほかはすべて見えた。

     肩の小屋付近に盛んにヘリが往復している
    音が聞こえる。小屋で休憩した時にご主人に
    聞いたら、環境に配慮したトイレを作ってい
    て、そのためセメントを下から運んでいると
    のことだった。

     ヘリのパイロットの操縦は見事だった。

  ヒメシャジン   
       肩の小屋から草すべりを通って御池に向か
    うことにした。草すべりを下るのは確か3回
    目。肩の小屋から御池に下るときにも右股を
    通ることが多い。
     というのは草すべり上部まで下りてきて、
    御池が見えてからの長いこと、長いこと。多
    分疲れているのでそう感じるのだろう。でも
    今回はここを降りることにした。

     小太郎分岐からの高茎草原はミヤマシシウ
    ドが花盛り。ほかにもオヤマリンドウ、ウメ
    バチソウ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ
    などかなり咲いている。

     
       草すべり上部の御池が見えるところから下
    は花の競演だった。道の両側にかなりの種類
    の花が出てくる。メモを取りながら数えたと
    ころ、25,6種類が咲いていた。

     特に御池に近いところのヤナギランとミヤ
    マシシウドは素晴らしかった。

     草すべりがこの時期こんなに素晴らしいと
    は思っていなかったので、大収穫だった。

  ミヤマシシウド   
 
   テン場に着いたのは2時過ぎ。広河原に下りることも考えたが、急いで帰る必要もないので、
  もう一泊ゆっくりすることにした。

   今年2回目の今回は、山頂部の花は期待していなかった。実際、この時期としてはいままでで
  一番寂しい状態だったが、草すべり下部は素晴らしく、やはり花の北岳のことはあった。



   27日:広河原 12:15  二股 15:05  御池小屋 15:35

   28日:御池小屋 5:48  二股 6:19  八本場のコル 8:25  北岳への分岐
       10:05  山頂 10:55  肩の小屋 11:40  小太郎分岐 12:40
       御池小屋 14:05

   
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