広河原から御池方面


                        2009年6月17日


 北岳への登山道の初夏の花を見に、広河原から小太郎分岐までを往復する計画で歩くことにした。
 この時期、芦安から広河原までのバスルートが開通していないため、長野県側から北沢峠を越えて
広河原まで入る。
 ランをいくつか見たいというのが今回の目的である。


   

   長野県の戸台口に車を止め、ここから南アルプス林道バスで北沢峠へ、そこからバスを乗り継いで広河原
  まで行く。この時期は北岳方面に入るにはこのルートしかない。バス便も少ないため、戸台口を最終のバス
  で行き、広河原山荘に泊まって、翌日大樺沢から小太郎分岐まで歩いてその日のうちに戸台口まで戻る計画
  だった。
   しかし、翌日(17日)大樺沢を渡る橋がまだ掛けられてなく、雪解け水で渡渉困難だったため、御池方
  面を帰りのバスの時間を見ながら歩くことにした。結果としては御池小屋までもいけず、途中で引き返すこ
  とになった。

   広河原山荘には我々二人だけの宿泊だった。

    前日、宿の人に花の様子を聞いた。広河原園地で以前カモメランなどの初夏のラン科植物を
 見たことがあるというので、帰りに園地を少し歩いてみようと思い、その時間も考えての行動
 時間とした。天気は曇り時々晴れであった。
  
 
   
      山荘を出るとタニギキョウやオククル
  マムグラなどの小さな花が迎えてくれた。

   コウライテンナンショウや黄色のヤマ
  キケマンも見られる。
 
 
     タニギキョウ  
       
  オククルマムグラ   ヤマキケマン  
   
  20分ほど歩くと、クリンソウが数株現れ
 る。ここには前からあるが、北岳の登山道で
 はここのほかではまったくお目にかかってい
 ない。

  自然に生えたものなのか、それともどこか
 から人為的にでも種が運ばれたのか、ちょっ
 と不思議。

  クリンソウはかなり群落で見ることが多い
 のでそんな疑問がわく。

  この先から登山道は雪解けの水がかなり流
 れて来た。

  ちょうど旬のマイヅルソウ、終わりに近い
 ニリンソウやこれから咲こうとしている蕾の
 バイケイソウも見つけられた。

 
 
  クリンソウ   
 

 

    ここ以降に現れてくる花々は、ホテイ
   ラン、オオカメノキ、ゴゼンタチバナ、
   サラサドウダン以外ははじめてみる花
   ばかりで、したがって名前も分からな
   かった。

    家にある図鑑や図書館で調べて書
   いた。

    道端にタチカメバソウが出てきた。
    花の形がミヤマムラサキにそっくり
   の白い花で、なかなか愛くるしい。
  
   
    タチカメバソウ   
 
   沢沿いでは、ヤマイバラ、コマガタケスグリ、フユイチゴといった木々の花が見られた。 
 
       
  ヤマイバラ   コマガタケスグリ  
   


  二股への道にかかっているはずの橋がまだ
 整備されてなく、雪解け水でちょっと徒渉が
 困難だったので引き返して御池小屋方面の道
 を歩くことにした。

  そして、期待は多少持っていたが、思いも
 かけずホテイランを見つけた。

  もう終わりかけの株と、ほとんど終わった
 株が見られた。

  さらにヒメムヨウラン、オオカメノキがあ
 り、ほぼ終わりかけたサラサドウダンも見ら
 れた。
 

  
 
  ホテイラン    
       
   ヒメムヨウラン  オオカメノキ  
      さらに歩くと、二株だけオノエランが咲いて
   いた。
    また、咲き始めのゴゼンタチバナやイワセ
   ントウソウの小さな小さな花が見られた。

 
    オノエラン  
  広河原園地での初夏のランを期待して探したが、そこで見られたのはヒロハテンナンショウやギンリョウ
 ソウであった。

  また、小太郎分岐までは行けなかったが、ホテイランをはじめ、ヒメムヨウラン、オノエランに出会えた。

  
 
  北岳は行けば行くなりに目新しい花が見つかる素敵な山である。


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