北 岳


                    2008年7月24日〜26日


 夏の真っ盛りの花が期待できるこの時期、北岳山荘に一泊目のテントを張り、間ノ岳を往復
して、盛夏の花をできるだけ多く見ることが目的である。



 早朝一番のバスで芦安を立ち、一日目は北岳山荘まで。翌日間ノ岳を往復し、肩の小屋で
テントを張る予定で出発した。天気は上々。広河原山荘のベンチで軽い朝食をとって大樺沢
沿いの道を汗だくで登る。


第一日目 
   早速クルマバソウやヤマホタルブク
 ロが現れる。
  大樺沢沿いをいくつか流れをまたぐ
 間にも、コキンレイカやノリウツギ、
 シギンカラマツ、コアジサイ、ヤマブ
 キショウマなどがでてくるが、ここで
 はじっくり写真を撮らずに先を急ぐこ
 とにした。 
  

  

 
  コアジサイ 
    

   二股到着。
  20人ほどが休憩している。日差しは強い。
  ミヤマハナシノブは咲いている個体はまだ
 少ない。咲いていても咲き始めで花が完全に
 開いていないものが多い。

  イワオウギも少ない。多くの登山者は小太
 郎尾根を目指していく。八本場へ向かう人は
 少ない。

  雪渓上を歩かなくても左岸に道がついてい
 る。

  

   クロクモソウ
 

 

 ミヤマキンバイ、ヒメゴヨウイチゴ、
 クロクモソウ、オンタデが多くはない
 が咲いている。

  いくつか梯子を越え、八本場のコル
 近くでツマトリソウの可愛い株があっ
 た。

 
 
     ツマトリソウ
 

  八本場のコル到着。
  シロバナタカネビランジはまだ蕾も
 持っていない。

  吊尾根のほうに行くと、クロユリ、
 ミヤマオダマキ、ハクサンイチゲ、ミ
 ヤマキンバイ、ヤツガタケタンポポ、
 コイワカガミ、ミヤマミミナグサ、イ
 ワアカバナなどのお花畑が見事。
 
  ピンクのミヤマオダマキが一株あっ
 た。

   

 
     クロユリ
   
   ミヤマオダマキ ミヤマオダマキ(ピンク花) 
   
   ヤツガタケタンポポ ミヤマミミナグサ 
    トラバース道分岐までの岩場には、
 ツガザクラがところどころ咲いていた。
   

    ツガザクラ
     トラバース道はいつ来てもコースタイムの時間通りには歩けない。
  立ち止まって花を見、撮る時間がかかる。
  ザックもこのころになると重く感じ、下ろして斜面の上下を見る場面が多い。さすがに
 キタダケソウやチョウノスケソウはもう終わっていたが、北岳山荘に向かう道に次々に花
 が現れる。

  あーちゃんも「早く山荘のテン場についてザックを下ろしたいと思っていたけど、ここ
 に来ると花に見とれて肩の痛さを忘れてしまう。」と言っている。そう、いつ来てもここ
 のお花畑は圧巻。

 
    北海道大雪山系の小泉岳、白雲岳、
 緑岳や五色が原、化雲平あたりも大規
 模のお花畑があり、そこはまた大好き
 なところだが、ここ北岳のお花畑は一
 箇所に咲いている種類の多さでは群を
 抜いている。

  タカネツメクサ、ウラジロキンバイ
 ミネウスユキソウ、ミヤマムラサキ、
 イワベンケイ、ミヤマシオガマ、ヨツ
 バシオガマ、ミヤマキンバイ、キンロ
 バイ、ハクサンイチゲ、タカネヤハズ
 ハハコ、シコタンソウ、コイワカガミ
 タカネコウリンカ、クルマユリなどな
 ど。

  多くの花がまだ咲きはじめなのが嬉
 しい。
 
    ミヤマムラサキ 
   
  ミネウスユキソウ  クルマユリ 
   
  ハゴロモグサ  シコタンソウ 
   
  ミヤマシオガマ  イワオウギ 
   

   テン場近くになって、ミネズオウ、アオノ
 ツガザクラ、チングルマ、コイワカガミが現
 れ、二人を満喫させてくれた

  チングルマ   
   
  ミネズオウ  アオノツガザクラ 
第二日目
 


   テン場から間ノ岳を目指す。
  テン場周辺は霧がかかり北西の風もあって寒い。チシマギキョウ、ミヤマシオガマ、
 タイツリオウギ、コケモモ、コメバツガザクラの残り花、イワヒゲ、ミヤマダイコン
 ソウ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲなどが咲く。
 

 

  中白根到着。
  ようやくガスが取れはじめ、間ノ岳
 が青空とともに見え出す。

  ライチョウの親子が餌をついばんで
 いる。こちらには気づかない。雛は5
 羽。

  見えてくる花に大きな変化はないが
 アカイシミヤマクワガタが稜線に咲い
 ている。

 
 
    間ノ岳 
      道はトラバース気味についているが、
  斜面上にはミヤマキンバイ、ハクサンイ
  チゲなどが咲いておりきれいだ。

   花を見ながら3000メートルの快適
  な稜線を満喫する。
 
   アカイシミヤマクワガタ  
     間ノ岳到着。
  ガスの切れ間から時々富士山がきれ
 いな姿を現す。

  ここは富士を写す好ポイントらしく、
 立派なカメラを準備して姿を現す富士
 をじっと待っている愛好家がいた。

  南方面にはまだ残雪が多くあり、高
 山植物はその下で眠ってい
る。
 
    間ノ岳からの富士山 
    テン場に戻りテントを撤収して北岳
 を越え、肩の小屋を目指す。
  
  タカネヤハズハハコ、ハハコヨモギ
 ミヤマキンバイ、シコタンソウ、タカ
 ネマンテマ、ミヤマダイコンソウ、ム
 カゴトラノオ、ミヤマオダマキ、コイ
 ワカガミ、タカネツメクサ、ホソバツ
 メクサなどが次々と現れる。

  もう終わりに近いチョウノスケソウ
 の大きな株もあった。
 
    タカネヤハズハハコ 
   
   ホソバツメクサ ハハコヨモギ 
     
   タカネマンテマ チョウノスケソウ 
    左股沢のお花畑も素晴らしい。
  
  仙丈も全貌が見え、振り返れば間ノ
 岳もその雄姿が凛々しい。

 北岳到着。
  甲斐駒は見えるが、鳳凰三山や富士
 山は雲の中で見えない。ここから肩の
 小屋までの道も、チョウノスケソウや
 オヤマノエンドウの残り花があり、イ
 ワギキョウが一株だけあった。


 
    左股沢のお花畑 
      肩の小屋到着。
  今日はここをテン場とするのが当初
 の計画だったが、夕方以降の雷雨の可
 能性も気にかかるし、時間も早かった
 ので御池まで行くことにした。

  小太郎分岐までの斜面の花は、終わ
 りかけのものが多かった。

  分岐から下ると、そこはシナノキン
 バイの大お花畑。クロユリもわずかに
 残っており、テガタチドリが一株あっ
 た。

  下るにつれてマルバダケブキ、グン
 ナイフウロ、イワオトギリ、ウサギギ
 ク、ミヤマハナシノブが現れてくる。
 そして草すべりにはイブキトラノオ、
 クガイソウが咲き始めていた

 
    テガタチドリ 
   
   ウサギギク イブキトラノオ 
 
  この時期の北岳は素晴らしい。
  何といっても八本場のコルあるいは小太郎分岐から上の稜線の花々は種類も多く、その中には
 北岳固有の花もある。
  八本場のコルから北岳山荘へのトラバース道はずーっと花が咲き通し。しかも多くの種類が入り
 乱れて咲いている様は花好きにとってはこたえられない。
  また、間ノ岳への3000メートルの稜線花散歩も素敵な道である。

  今回もたくさん遊ばせてもらった3日間だった。



24
  広河原6:54 二股9:27 発9:58 途中昼食30 八本場のコル13:03
  発13:20 分岐13:20 北岳山荘15:15

25日
  テン場発6:05 間ノ岳7:58 テン場9:36 発10:24 北岳12:05
  発12:20 肩の小屋12:52 発13:29 御池小屋15:35

26日
  テン場発6:26 二股6:54 広河原9:06

     
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