冷池小屋の少し手前で、鹿島槍ヶ岳の双耳峰のきれいな写真が撮れた。

   
  鹿島槍ヶ岳
 
    小屋のベンチで少し休んで、布引山へ向かう。

    小屋から少し離れたところにテン場がある。西側に剱岳が大きく見える絶好の場所だ。

    ここから山腹を巻く道になるが、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、シモツケソウ、
   イワカガミ、エゾシオガマ、チングルマやアオノツガザクラの雪田性の花が見られた。種
   池山荘周辺のチングルマは多くが終わって種をつけていたがここはまだ咲いていた。ウサ
   ギギクもたくさんあり、蕾をつけているものの方が多かった。
 
 
  シモツケソウ ウサギギク
   
   エゾシオガマ チングルマ
         布引山のとがった山容と鹿島槍の南峰と北
    峰がわれわれを待っている。

     布引山の登りはやや急なところもあるが、
    西側は立山から劔が間近い。長野側から雲が
    上がってきているが、まだ景色は十分見える。

     ハクサンフウロやトウヤクリンドウが咲い
    ている。
 
  アオノツガザクラ
 
  布引山と南峰、北峰 トウヤクリンドウ
     イワツメクサがあり、このあたりからタカ
  ネツメクサがたくさん現れてきた。

   チシマギキョウもあるが、ここでは一つひ
  とつ咲いているのが多く、群生が見られない。
  この花は一か所に割合多くの株が集まって咲
  くことが多いのだが…・。
    タカネツメクサ
       布引山を越えて最後の登りに移る。

     このあたりから道の両側にこれまで見るこ
    とのなかった花が現れるようになった。

     トリカブト、シナノナデシコ、キバナノカ
    ワラマツバ、タカネシュロソウだ。

     これらは東側の岩場の中の草地にあった。

     鹿島槍は花の百名山にも挙げられているが、
    ここにきてそれがわかった。

   チシマギキョウ
 
  トリカブト シナノナデシコ
       さらにタイツリオウギ、クロトウヒレン、
    イワベンケイ、イブキジャコウソウ、ムカゴ
    トラノオだ。これらはもうこの時期で咲き終
    わりの状態で、今年は花の咲くのが早かった
    ことも裏付けられた。

     なかでもタイツリオウギはその名の由来で
    ある鯛の形によく似た実をつけているものも
    あった。

     ここまでにもよく見られていたミヤマダイ
    コンソウであるが、たつさんは花が2つ以上
    近くで咲いている株を探していた。ここでよ
    うやく見つけられた。
  キバナノカワラマツバ
 
  タイツリオウギ クロトウヒレン
 
  イブキジャコウソウ ムカゴトラノオ
       最後の登りは大きなものはないものの、岩
    屑の道となる。

     このころからガスがかかってきて、山頂部
    は時々見える程度になってきた。

     布引山から約1時間で9時前に山頂に着い
    た。
  ミヤマダイコンソウ
 
  鹿島槍山頂部 山頂標識
     山頂はかなり広いが、着いたときには一人
  が休んでいるだけだった。

   そのあと布引山方面から二人、北峰方面か
  ら2組が山頂に着き、その2組はすぐに布引
  山へ向かった。

   山頂部は晴れていたが、周囲はガスで視界
  はなく、立山連峰も見えなくなり剱岳が何と
  か見えた程度だった。

   残念ながら山頂で景色を堪能というわけに
  は行かなかったが、ここで戻り際にシコタン
  ハコベを見つけた。
  シコタンハコベ
 

 


    種池山荘からコースタイム5時間のところを休憩含めて4時間半で着いたので、帰りがてら
   このまま下山して大町の温泉に泊まろうか? と提案した。あーちゃんはしばらく考えていて
   冷池山荘でお昼を食べた後、下山しようということになった。

    種池山荘で荷を作り、キャンセルを伝えて下山したが、この日の行動時間は12時間だった。
   さすがにオーバーワークだった。ただ花もかなり多いし、登りがいのある山で、特に夏の鹿島
   槍は早朝勝負というのがわかった。


   登山口 10:45  駅見岬 12:36  石ベンチ 13:49  種池山荘
   14:46

   種池山荘 4:23  冷池山荘 6:28  布引山 7:56  鹿島槍山頂 8:54
   布引山 9:50  冷池山荘 10:38  種池 12:52  ケルン 15:14
   登山口 16:20


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