21日は北沢峠の山小屋に行くだけの行程 である。この日は夏休みが始まって最初の日 曜日でもあるため、首都高や中央高速が混む と予想されたので7時半に駅で待ち合わせる ことにして出発した。 ところが京葉道路、首都高、中央高速と全 く渋滞がなくスイスイ。甲府で食材を仕入れ ても芦安に11時前に着いてしまった。結局 小屋に入ったのが13時。自炊でバーベキュ ーをすることにしているが時間があるのでそ の辺を散策することにした。 小屋の前にクリンソウの群落があった。 |
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クリンソウ | ||
22日はできるだけ早く出発することにし た。できれば北沢峠13:30のバスで下山 したかったからだ。 Kさんは今まで4回、たつさんと北アルプ スや南アルプスを歩いているが、標高が高く なると途中しばらく立ち止まって息を整える ことでまた歩き始める繰り返しだが、おおむ ねコースタイムで歩いている。 甲斐駒はコースタイム8時間20分なので 今日は9時間を想定した。 長衛小屋からの入り口付近にヤグルマソウ とミヤマカラマツがあった。これらはいずれ も前日写したものである。 |
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ヤグルマソウ | ||
まずは仙水峠を目指す。 この時間はまだ夜明け前なのでヘッドラン プをつけて歩く。ポツンポツンと雨が落ちて くるが、空はさほど暗くないため本格的な降 りにはならないだろうと思う。 仙水小屋を過ぎ、シラビソの林を抜けて岩 場の道にかかる。 ハクサンシャクナゲとコメバツガザクラ、 チョウジコメツツジが見られた。ハクサンシ ャクナゲはこのあと駒津峰周辺までところど ころで咲いていた。チョウジコメツツジはも う終わりかけだったがこれもこの先でも見ら れた。 |
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ミヤマカラマツ | ||
ハクサンシャクナゲ | チョウジコメツツジ | |
仙水峠に到着。 摩利支天が正面に見えた。 木にさえぎられて、甲斐駒の全貌は見えな い。 ここまでコースタイムから数分ほど遅れで 順調だ。 ただここから急な登りになるので駒津峰ま でが一つの正念場だ。 |
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摩利支天 | ||
林の中の岩場の道にかかる。標高2400 mを超えるあたりからKさんの立ち止まって 息を整える回数が増えてきた。よく見ている とどうも登る速度が速いようだ。そこで「も っとゆっくり歩いたらどうだろう?」と声を かけてゆっくり歩いてもらった。 すると「息の上がるのがだいぶ少なくなっ た。」と言っており、このペースなら山頂ま で大丈夫だろうと考えた。 足元にツマトリソウが咲いていた。 ホシガラスが2羽飛んできて、1羽が木の てっぺんに留まった。 |
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ツマトリソウ | ||
2500m付近から眺望が開けてきた。 甲斐駒はすぐ近くにその雄姿を見せてくれ た。鳳凰三山とその奥に富士山が見えてきた。 昨日、中央高速から甲斐駒、北岳、間ノ岳、 さらに悪沢から赤石、聖と南アルプスの山並 みがきれいに見えていた。 今日もどうやらそれが見られそうだ。Kさ んを待っていると、北岳も雲が切れて山頂部 が見えだし、仙丈ヶ岳は一部陽が当たってい る状態が見られた。 |
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ホシガラス | ||
甲斐駒ヶ岳 | 鳳凰三山と富士山 | |
北 岳 | 仙丈ヶ岳 | |
鳳凰三山と富士山、それに早川尾根のアサヨ峰、栗沢山の眺めも素晴らしい。 |
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鳳凰三山と富士山、アサヨ峰 | ||
今日の天気予報は昨日の朝の時点で曇一時 雨となっていたが、ときおり薄日も差してき た。また風も弱く、これだけの景色が見られ るとは想像していなかった。 このあたりからKさんの足取りがやや重く なる。この時点で北沢峠13:30のバスは 難しいと判断し、15:30の最終バスで帰 ることに決めた。まだKさんには伝えていな い。 タカネバラとミヤマハンショウヅルが見ら れた。タカネバラはいくつも咲いていた。 |
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タカネバラ | ||
駒津峰に到着。 なんと中央アルプスはおろか北アルプスも 一部の山頂に雲がかかっているものの、乗鞍 から穂高、鹿島槍までが見えた。これも思っ ていなかったことだった。 コースタイムより30分遅くなっている。 ここでKさんには最終バスで帰ることを伝え、 目の前に見える雄大な甲斐駒山頂まで行こう と伝えた。「今のペースでいけば何とかなり そうだ。」というので先に進むことにした。 ここまで来たら是非とも山頂に立ってほしい。 |
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ミヤマハンショウヅル | ||
甲斐駒ヶ岳と摩利支天 | ||
駒津峰を過ぎたところで、北岳から間ノ岳、塩見岳など南アルプス北部の山々もそして 南部の山々もきれいに見えていた。 |
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北岳、間ノ岳など南アルプスの山々 | ||
駒津峰から甲斐駒本体の花崗岩の登り道ま では難所だ。特に下りの足の置き場がやや難 しく、Kさんが苦戦している。 ただここの間にはかなり多くの花が見られ た。ハクサンシャクナゲ、コケモモ、ツマト リソウ、ゴゼンタチバナ、ミヤマダイコンソ ウ、キバナノコマノツメ、マイヅルソウなど だ。 直近でたつさんが甲斐駒に登ったのは7年 前の8月で、この時は花の少ない山だなとの 印象だったが、今回はそれが外れてくれて嬉 しい。 |
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コケモモ | ||
ツマトリソウとゴゼンタチバナ | マイヅルソウ | |
山頂へは直登でなく、摩利支天分岐を通る 巻き道をとった。こちらの方が傾斜が緩く、 歩きやすいからだ。 ここの道でもツガザクラやイワツメクサ、 タカネツメクサが見られた。 また途中の少ない草地に、ハクサンイチゲ とキバナノコマノツメの群落が見られた。 「雪先花」の碑のところでは、ミヤマキン バイやイワヒゲも見られた。 |
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ツガザクラ | ||
ハクサンイチゲ | キバナノコマノツメ | |
そして北沢峠から約6時間かけて山頂に到 着した。 |
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甲斐駒山頂 | ||
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到着して記念写真を撮ってすぐに、雲が来て視界がゼロになり、雨も落ちてきた。 気温が低いのでレインウエアを着る。山頂で少し休み、食事をとって北沢峠へ下山した。 北沢峠までずっと雨だった。 梅雨のこの時期、気温も高くなくてさほど汗もかかずに思いがけない眺望も得られ、 Kさんにとっても大変だったが大満足の山行だった。 こもれび山荘 4:20 仙水小屋 5:08 仙水峠 5:56 駒津峰 8:00 甲斐駒山頂 10:12 駒津峰 12:23 双児山 13:28 北沢峠 15:20 |
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