今頃は4時を過ぎてようやく白み始め る。しかしここのテン場では3時過ぎか らガサゴソ動く音がする。 朝食をとって5時過ぎに歩き始める。 北沢に沿って道がついているが、ここ はうっそうとしていて苔が多い。そこに ところどころ名札がついている。北沢峠 から駒仙小屋までの道にも苔の名前のつ いた名札がいくつもあった。ここはいろ いろな苔があるようだ。しかし、苔の名 前は全く知らない。 右岸に渡ったところでようやく花が見 えてきた。コキンレイカとトリアシショ ウマだ。 |
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コキンレイカ | ||
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それまで全く花がなかったわけではな い。北沢駒仙小屋付近にはホタルブクロ やヤマオダマキ、ヤナギランは咲いてい た。しかしこの沢沿いはミヤマアカバナ が少しともう終わりかけのサワオトギリ くらいだ。 甲斐駒は花の百名山に入っているが、 山自体が花崗岩からできており、土がで きにくいため植物が育ちにくい環境にあ る。おそらくほかと比べてもずっと少な いのだと思う。オオビランジがあるらし いので、今回はそれを楽しみにしてきた。 30分ほどで仙水小屋についた。清冽 な水が流れていて、1リットルばかり戴 いた。 |
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トリアシショウマ | ||
ここから少しシラビソの林になる。写真 では明るく写っているが薄暗い静寂な林だ。 そしてこの林を抜けると大きな岩塊が重 なったところにでた。 下の写真は振り返って撮っているが、登 る右側がハクサンシャクナゲや潅木が続き、 左側は岩塊が続く。 まだ、ハクサンシャクナゲがところどこ ろで残っていた。 |
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シラビソの林 | ||
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奇怪な岩塊 | ハクサンシャクナゲ | |
この岩礫の積み重なりが駒津峰を形成 する尾根の南側と栗沢山を形成する尾根 の北側の一部に存在する。そしてそれぞ れでこの岩塊の上は樹林帯になっている。 岩塊が山全体ではなく一部にできており、 そこだけが植物がほとんど生育できない。 とても興味深い地形だ。 ところどころにあるケルンに導かれて 歩くが、あーちゃんが「ここで霧に巻か れたら道がわかんなくなるね。」と言っ ていた。 仙水峠に到着。摩利支天と甲斐駒が見 えてきた。 |
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摩利支天と甲斐駒ケ岳 | ||
ここから駒津峰へ標高差約500m登 る。少しジグを切るところはあるがほぼ 直登だ。 ダケカンバやコメツガの潅木が多く現 われる頃にようやく花が見え出した。 セリバシオガマ。この花はほんの少し の風でも揺らぐので撮りにくい。 次いで、コバノコゴメグサ。これらは 駒津峰より上にはなかった。 |
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セリバシオガマ | ||
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ヒメシャジンがほぼ一箇所といってい い範囲で見られた。 また、イワインチンもまだ開いてはい ないがもうすぐ咲く状態だった。この花 は夏というより秋の花だ。 さらに少し上にトウヤクリンドウがあっ た。帰りには日が当たって花が開いてい た。 |
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コバノコゴメグサ | ||
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ヒメシャジン | イワインチン | |
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視界が開けてきて、左側に仙丈ケ岳が 雄大な裾野をひき、この山独特の地形、 カールの一部が見える。 また、栗沢山の右に北岳が、その右に 間ノ岳、さらに奥に塩見岳が快晴の朝の そらにくっきり見えていた。 こちら側からの北岳は間ノ岳から見る よりも屹立としているように見える。 後ろを振り返ると、雲海の上に鳳凰三 山が、その横に富士山が見えていた。 |
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トウヤクリンドウ | ||
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仙丈ケ岳 | 北岳から遠く塩見岳 | |
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駒津峰に着く。 前方の甲斐駒がものすごい迫力で迫っ てくる。 山全体の大きさに加えて、周囲の山に 比べてハイマツなどの木々や草本が極端 に少なく、花崗岩の岩そのものの大きさ、 そして白さが迫力を感じさせるのだろう か?。 |
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鳳凰三山 | ||
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甲斐駒ケ岳 | ||
ここから、一部ナイフリッジの尾根をアップダウンし、六方岩と呼ばれる大きな岩の横を 通って、甲斐駒本体に取り付く。 その間、いずれも時期は過ぎていたが、マイヅルソウ、コケモモ、ゴゼンタチバナ、ハク サンシャクナゲ、ミヤマキンバイ、キバナノコマノツメ、ミヤマダイコンソウが少し見られ た。 甲斐駒本体は、土が極端にないので、タカネツメクサがメイン。大きな株もあった。ほか はタカネニガナ、ヨツバシオガマ、ミヤマアキノキリンソウ、イワツメクサが少しあるだけ。 登山道からは遠かったが、ハイマツの周囲には土があるのだろう。ウサギギクが見られた。 オオビランジは見つけられなかった。 |
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タカネツメクサ | タカネニガナ | |
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ヨツバシオガマ | イワツメクサ | |
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山頂は広く、駒ケ岳神社の奥社が祀ら れていた。人もたくさん休んでいた。 結構若い人が多かったのは心強く感じ た。パノラマ写真を撮り、景色を堪能し たのち同じ道を降りることにした。 |
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ミヤマアキノキリンソウ | ||
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仙丈ケ岳から北岳 | ||
駒津峰からの途中、行きの登りでは気づ かなかったが、オヤマリンドウが蕾をつけ ていた。 |
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オヤマリンドウ | ||
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「迫力があって、また変化に富んでいていい山だったね!」があーちゃんの感想。 本当にそのとおりの山だった。花は少なくとも景色も抜群だったし、南アルプスの山々の大き さを十分堪能した一日だった。 テン場5:21 仙水小屋5:54 仙水峠6:28 駒津峰8:08 駒ケ岳山頂9:42 山頂発10:25 駒津峰11:30 仙水峠12:46 テン場13:50 |
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