<1日目> | ||
芦安の駐車場を通って夜叉神峠に向かった が、3連休の最終日とあって、芦安の駐車場 にはまだかなりの車があった。 夜叉神峠の駐車場もかなりの車であったが、 売店の近くに何台かスペースがあった。 天気は曇り。風がないので半袖でスタート。 カラマツの樹林帯を登る。たくさんのキバ ナアキギリと少しのママコナが見られた。 キバナアキギリは初めて見た花で家に帰っ てから調べて名前がわかった。 |
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キバナアキギリ | ||
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ママコナも多分そんな名前だろうと思って いたが、調べたら半寄生の植物だそうだ。 レイジンソウやイブキゼリ、ミヤマアキノ キリンソウも何とか花が残っていたが、多く の植物はもう花をつけていなかった。 ヒロハテンナンショウの赤い実が鮮やかだ った。 1時間ほどで夜叉神峠に着いた。 |
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ママコナ | ||
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夜叉神峠では3組のパーティーが休んでい た。ここにだけ来た人もいるようだ。 峠小屋の周囲はお花畑にもなっているが、 ハナイカリ、マツムシソウ、ツリガネニンジ ンがわずかに花をつけていた。 ここからは白峰三山が見えるが、霧が一時 晴れて何とか三山が見えた。 今日、周囲の景色が見えたのは結局ここだ けだった。 |
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ヒロハテンナンショウ | ||
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ハナイカリ | マツムシソウ | |
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少しあるくとウメバチソウが咲いていた。 ここのウメバチソウはほかのと比べて、花 弁が大きい。 ここから少し下って、緩い登りが続くコメ ツガの林の道となる。尾根筋ではあるが、尾 根の少し西側を通る部分が多く、右に尾根が あり左はコメツガの林で、南アルプスらしい 原生林とはいえるが、うっそうとしていて眺 望は開けない。 |
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白峰三山 | ||
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ウメバチソウ | こんな道がずっと続く | |
この時期なのでキノコ類がたくさん出てい る。キノコは種類が全く分からない。 ここの道で唯一と言っていい花は、セリバ シオガマだ。結構咲いていた。 杖立峠を過ぎ、2200m付近でダケカン バが出てきた。この辺は山火事跡らしい。そ の痕跡は見られないが、ダケカンバがそこだ けに生えているのは山火事で焼失した樹木の 後に再生する木だからだろう。 苺平という地名があったので、草原を想定 していたが樹林の中のわずかな平坦地だった。 |
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セリバシオガマ | ||
苺平からは下りになる。ここも樹林帯の道 だ。 ほどなく南御室小屋に着いた。 コースタイムでは5時間10分となってい たが、休憩を含めて4時間とちょっと、13 時半まえに着いてしまった。 登山道に急な傾斜のところがなく、歩きや すい道でもあったが息が上がらないよう一定 のリズムで歩いただけだ。ただ眺望が効かな い道だから、休みも少なくひたすら歩いたか らかもしれない。ほかの資料のコースタイム に6時間40分というのがあったが、ゆっく り歩いてもそれほどはかからないと思う。 3時ころに着けばいいと思っていたので、 テントを張って小屋の周りの花を撮って過ご すが時間がたっぷり残る。本でも持ってくれ ばよかった。 |
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ヤマオダマキ | ||
小屋の横には冷たい沢水が流れていて、南 アルプス天然水と書いてある。おいしい。 宿泊地では水が自由に使えるのはとてもあ りがたい。 ヤマオダマキ、キタザワブシ、ヤマハハコ、 ヤナギラン、キオンがまだ残っていた。キタ ザワブシはトリカブトの一種だが、トリカブ トも種類が多くとても分類はできないので、 「この小屋周辺にキタザワブシが咲く」と書 物に書いてある通りとした。 テン泊者はほかに2組。小屋の宿泊者は数 人だった。 |
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キタザワブシ | ||
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ヤナギラン | ヤマハハコ | |
<2日目> | ||
昨夜は何もすることがなかったので早く寝 てしまい、2時には目が覚めてしまった。 テレビの山の番組ではご来光を見るために 2時とか3時に出発するのを見るが、われわ れにはそういう習慣はない。空には星もなく、 ご来光が見える天気ではないけれど、暇を持 て余していたので4時半には出発することに した。 ヘッデンをつけて歩く。 砂払岳に着いて東の方向の一部にオレンジ の空が見えるが、ご来光は見られなかった。 |
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早朝の富士 | ||
砂払岳に出て、昨日からずっと続いていた 樹林帯を抜けて展望が広がった。 空はまだ一面雲に覆われているが、視界は すこぶる良好だ。富士山がきれいだ。 薬師岳小屋の宿泊者がここや薬師岳からご 来光を見ようと来ていた。 小屋のベンチで朝食をとって歩き始める。 |
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日の出時刻の東の空と薬師岳 | ||
薬師岳山頂付近からホウオウシャジンやタ カネビランジが見えだしたが、特にタカネビ ランジはほとんど終わっていて、残っている ものも濃いピンクは薄れていた。 ホウオウシャジンは実際には初めて見た。 ほかのシャジンと葉の形と花のつき方がかな り異なる。 2つの写真はここから高嶺までの間で見ら れたこの時期で最もよく咲いていた花である。 タカネビランジはそれでも薄いピンクのも のしかなかった。 |
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ホウオウシャジン | ||
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観音岳の頂きが間近に見える。 甲斐駒ヶ岳と同様、花崗岩の山なので白い 山肌がきれいだ。 白峰三山も全貌が見える。 モルゲンローテで赤く染まった北岳が見ら れないのが残念だった。 |
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タカネビランジ | ||
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ウラシマツツジがきれいに紅葉している。 ナナカマドの実も赤くなっており、葉もか なり赤が増してきている。 コケモモの赤い実もところどころで見られ た。 この朝の気温は5℃。まだ朝早いため、気 温は上がっていない。ただ風がないため、そ んなに寒くは感じない。 |
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観音岳 | ||
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観音岳を過ぎると、甲斐駒と地蔵岳のオベ リスクが見える。 この日はだんだん天気が良くなり、八ヶ岳 や中央アルプス、遠く鹿島槍も見られたが、 北アルプスの山は山頂部に雲が一部かかって いて、すべては見られなかった。 |
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ウラシマツツジの紅葉 | ||
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ウラベニダイモンジソウやトウヤクリンド ウも花をつけている株が少し見られた。 地蔵岳へはここから一旦下り、再びアカヌ ケ沢の頭まで登る。 その途中でイワインチンが小さな株ではあ るが、たくさん見られた。ちょうど旬のよう だ。黄色がとてもきれいだ。 賽の河原にはたくさんの地蔵が置かれてい た。 |
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地蔵岳と甲斐駒ヶ岳 | ||
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イワインチン | 地蔵像 | |
北岳からよく眺めていたオベリスクに近づ く。この途中にタイツリオウギがたくさんあ り、名前の由来の通り釣られた鯛の形をした 実をつけていた。 よくこんな堆積した岩ができたなと思う。 途中まで行ってみた。 その後、アカヌケ沢の頭まで引きかえして 左下に広河原を見ながら高嶺へ向かう。 このころから空は快晴になり、気温も上が ってきた。 コバノコゴメグサだけは薬師岳から高嶺あ たりまで、ところどころで咲いていた。 |
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オベリスク | ||
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高嶺から北岳を眺めると、山頂部や肩の小 屋、御池小屋、草すべり、小太郎分岐から下 の高茎草原などが手に取るようにわかる。 高嶺からはしばらく急な下りが続き、白鳳 峠を経て、広河原に向かった。 樹林帯の下部の日蔭の中では、コウシンヤ マハッカやサラシナショウマの花々がまだ見 られた。 |
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コバノコゴメグサ | ||
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北岳(白峰三山) | ||
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鳳凰三山を縦走してきた。8月中旬に行く予定でいたが、スーパー林道の不通でどうしようかと 迷っていて結局行かずじまいだった。でも正解だった。やはりこの山は縦走に限る。 またどの山でもそうではあるが、この山は眺望が望める時に歩くべき山だと思った。見ごろの時 のタカネビランジとホウオウシャジンを見てみたかった。 登山口 9:15 夜叉神峠 10:10 杖立峠 11:23 苺平 12:47 南御室小屋 13:23 南御室小屋発 4:37 砂払岳 5:27 薬師岳 5:54 観音岳 6:23 地蔵岳 7:40 アカヌケ沢の頭 8:10 高嶺 8:52 白鳳峠 9:41 広河原 11:30 |
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