白雲岳


                       2009年7月17日〜18日


 銀泉台から赤岳、小泉岳、白雲岳を通って、避難小屋から板垣新道、小泉岳のメインルート
に初夏の花を見ることを目的に歩いた。


 16日から2泊3日で、赤岳〜白雲〜高根が原〜忠別〜五色が原を経てクチャンベツに降りるコースを歩く
予定で出発した。

 銀泉台は霧雨だったが、天気が回復傾向との予報だったので歩き始めた。雨具を着るほどでもなかったが、
第二花園の手前ごろから風が出てきたため、雨具を着た。コマクサ平ではいっそう風も強くなり、一方雨は
やみ始めて青空も見えて霧が横に流れる天気だった。第三雪渓の上部まで来て、霧もあり風も相当の強い風
だったので、風待ちをした。

 一週間前にも赤岳から高根経由で花を撮りに行ったが、
そのときも昨日ほどではないが風があり、赤岳に
着いたときは強風となっていて花の撮影のためにはこれ以上行っても無駄と思い引き返した。そのときの経験
から、稜線に行ったら
立っていられないほどではないかと思い、退却を決めた。

 層雲峡に急遽宿を取り、翌日から1泊2日で白雲周辺を歩くことに決めて、早めに休んだ。

 9時過ぎに娘からメールが来て、美瑛で遭難があったと全国ニュースが伝えていたことを知った。
 翌17日早朝、宿の主人からトムラウシでも遭難があったことを知らされたが、まだあんな大きな惨事に
なるとは思ってもいなかった。

 そんな中での登山だった。

     
     薄く雲はかかっているが、山肌もくっきり見え、風もあまりない。昨日とは打って変わって
 絶好の登山日和。早速歩き始める。

  
   
   
   
      イソツツジの群落はもう終わりかけ。
  近くにエゾツツジが咲いている場所が
  ある。

   あーちゃん、「どうしてここだけエゾ
  ツツジが咲いているんだろう?」
  「そうだね。不思議だね」

  「誰かが植えたんだろうか」
  「まさかぁ」。
    
   
    エゾツツジ   
 


   第一花園付近はまだ雪が残っているが、
  溶けた周辺にはエゾコザクラも数株開き
  始めている。

   第二花園はまだ残雪が多い。
  エゾコザクラは数株のみ。キバナシャク
  ナゲが見られた。

 
 
   エゾコザクラ  
   

  

   コマクサ平到着。
   石狩山系やニペソツが昨日の雨や風で
  大気中のチリが消えたためか、とても
  くっきりきれい。

   コマクサは勿論、チシマキンレイカも
  ほぼ満開の状態。イワブクロも咲き始め、
  キバナシオガマも少ないが咲いている。

   コケモモが旬。ホソバイソツツジも
  きれいな白の花を見せている。


   
    コマクサ   
     
    イワブクロ ニペソツ遠望   
 


   第三雪渓はだいぶ夏道が出ていた。

   ここはミネズオウは殆ど終わっていたが、エゾノツガザクラ、チングルマ、フギレキスミレ、
  ハクサンイチゲ゙、エゾミヤマクワガタ、ミヤマキンバイ、メアカンキンバイが咲き誇っている。

   斜面いっぱいに見える光景にあーちゃんも「これよね。これが見たくていつも来るのよね。」

  
 
 

   赤岳到着。

   くっきりとした青空に、お鉢平周囲の山
  が雪渓を抱いて我々を迎えてくれた。

   エゾハハコヨモギがかなり多い。これは
  翌日、板垣新道から小泉岳を歩いたときも
  感じた。いつもそう
だったっけ

   白雲分岐に向けて、ホソバウルップソウ
  は終わりかけ。チョウノスケソウもここに
  こんなにもあったかなぁと思うくらいの株
  だったが、殆ど終わりに近かった。

   イワヒゲ、タケネツメクサ、リシリリン
  ドウ、クモマユキノシタ、キバナシオガマ
  などが顔を出す。

   
    エゾハハコヨモギ   
       
   イワヒゲ キバナシオガマ   
 
 

     白雲分岐到着。
   ここでザックをおろし、北海岳方面に
  ちょっと歩いてキバナシャクナゲの群落
  を見る。以前見たときよりやや少ない。

   ここから白雲岳に登る。白雲分岐の手
  前であったパトロールの人が、「山頂は
  360度の大展望だったんで、そこに1
  時間も滞在してしまった。」と言ってい
  たが、緑岳方向からガスがかかってきた。

   白雲への登りのお花畑もすごい。エゾノ
  ツガザクラやチングルマの群落があり、
  ヨコヤマリンドウも数株はじめて見るこ
  とができた。


   白雲山頂からの展望は残念ながら全く
  なかった。
 

 
   ミヤマリンドウ  
   

 
  エゾノツガザクラ  ヨコヤマリンドウ  
       白雲分岐から避難小屋までの道も、
  雪が解けて間もないことがあって、
  雪田性植物が今を盛りに咲いていた。

   ミネズオウ、エゾコザクラ、エゾノ
  ツガザクラ、チングルマ、エゾオヤマ
  ノエンドウなど、今が旬だった。

   小屋近くの雪渓のふちには、エゾノ
  リュウキンカの大群落があった。

   ここも楽しいお花畑だった。
   
   クモマユキノシタ  
         
   ミネズオウ エゾオヤマノエンドウ   
      白雲岳避難小屋周辺も、エゾタカネツメ
  クサやミヤマアズマギク、ハクサンイチゲ
  などの大きな株があり、楽しませてくれる。
 
 
   エゾノリュウキンカ  
  
   翌日も曇りではあったが、風もなく、
  トムラウシもはっきり見えていた。

   板垣新道への雪渓上は迷わないよう
  ロープが張られていた。

   小泉〜緑岳稜線への道も素晴らしい
  お花畑。チシマノアマナが残っていた。
  チョウノスケソウも終わっている花、
  ちょうど見ごろの花、これから咲く花
  と一つの株にもいろいろな段階を見せ
  てくれる。

   ただ、見ごろの花がかたまってついて
  いる株は残念ながらなかった。
 

   
   ミヤマアズマギク  
       
   チョウノスケソウ  緑岳越しにトムラウシ遠望  
 
    エゾハハコヨモギがここでも相当な数だった。
   イワヒゲも大きな株はないがところどころ咲いている。

   イワウメは以前来たときは一面イワウメのカーペットだったが、今回はもう終わりかけ
  ていた。ホソバウルップソウも終わりかけ。

   ミヤマキンバイ、メアカンキンバイ、タカネオミナエシ、エゾオヤマノエンドウ、ヨツバ
  シオガマ、リシリリンドウ、エゾタカネツメクサ、オオイワツメクサ、クモマユキノシタ、
  イワベンケイがよく咲いている。

   あーちゃんが、「大雪にもネコノメソウがあるわ!」という。
  「こんなところに?まさかぁ」と近づいたら、レブンサイコでした。
 
       
   チシマキンレイカ  エゾタカネツメクサ  
       
   メアカンキンバイ  レブンサイコ  
  たっぷりと花を見て、時間もかけて写真も撮れる楽しい時間だった。

  
銀泉台から白雲を経由しての一周は、やはり多くの花が見られた。


  

  登山口6:15 コマクサ平7:35 赤岳9:12 小泉分岐10:05 白雲分岐10:16 山頂11:11
  白雲避難小屋12:50

  小屋発5:35 小泉分岐7:33 赤岳8:10 コマクサ平8:57 第二花園9:23 登山口10:05


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