ここに荷物を置いて、アタックザック
  に必要なものをもって化雲平、化雲岳に
  向かう。
   往復2時間程度、雨が降らずにいてく
  れればと、ここまで来たらそう願ってし
  まう。
   
   化雲岳2.9KMの道標の下にリンネ
  ソウが咲いていた。
  
 
     リンネソウ
 
    少し歩くと北側に開けた草地の斜面がある。この一画にはエゾツツジやチシマフウロ、タカネ
   トウウチソウなどが咲き乱れている。平地ではないためここはササも侵食できず、以前の状態が
   保たれているようだ。
 
   エゾツツジ タカネトウウチソウ
      ゴゼンタチバナがところどころ咲くハイマツを抜けるといよいよ化雲平。カムイミンタラだ。
    雲が薄くなって一瞬、トムラウシの裾が見えた。
 
   化雲平のお花畑 エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、ミヤマキンバイ中心
   
   化雲平のお花畑 チングルマ、ハクサンイチゲ中心
     五色岳から化雲岳の間も面白い植生に
  会える。
   まず、先ほどの五色岳から数分のとこ
  ろの北に開けた斜面。ここにエゾツツジ
  があり、その前後にはこの花をまだ見て
  いない。

   ついで、化雲平の木道にリシリリンド
  ウの集まっている区間がある。リシリリ
  ンドウは化雲平にだけ咲いているわけで
  はないが、ここはリシリリンドウにとっ
  て生育環境が良いのだろうか。

   そしてしばらく行くとエゾキスゲの群
  落。これもここの前後ではお目にかかっ
  ていない。
    エゾキスゲ 
     木道の下にはおそらく昨日の雨の影響
  か、水が結構たまっていて、クモマユキ
  ノシタやリシリリンドウが水の中に咲い
  ている面白いというか花たちにとっては
  気の毒な光景も見られた。
   きっと相当の雨が降ったと思われる。
   もちろん1,2日で水は引いてしまう
  だろうが・・・・。


     ホソバウルップソウの群落もあったが、
  開花の時期はとうに過ぎていた。


     そこからほんの少しで、化雲岳とヒサ
  ゴ沼の分岐になる。

 
     リシリリンドウ
   
  クモマユキノシタ  ヒサゴ沼との分岐 
 
    このあたりではハクサンイチゲがまだたくさん咲いている。今年の北海道は雪が多く、また
   春以降の雪解けも遅いと聞いていたが、この辺にまだイチゲが見られる要因があるのだろう。

    あーちゃんが「私、ここで待ってるわ!。」という。人っ子一人いない「神々の遊ぶ庭」で
   一人で佇み、満喫したいのだろう。
    たつさんは化雲にあるエゾルリソウを見に行く。
  
     化雲岳到着。
   霧が深くなって、やや風も出てきたが、
  レインウェアがパタパタするほどではな
  い。

   小化雲の方へちょっと歩いて、エゾル
  リソウがあった。富良野岳でエゾルリソ
  ウにお目にかかってないので、この花を
  見るのはニペソツ以来。

   また、近くにタカネシオガマやチシマ
  クモマグサ、シコタンソウも見られた。

   これも五色から化雲での面白い植生の
  一つだ。
 
  エゾルリソウ 
 
  タカネシオガマ チシマクモマグサ
 
   あーちゃんと合流。

   「もう〜よかったわ。感動!感動!。
  でもクマもこわかったから鈴を鳴らし
  続けていたわ。」


   「そうだよね。カムイミンタラを独り
  占めしてたんだからね。」
    チシマギキョウ
     雨がパラパラと一時的に降っただけで、
  五色岳へ戻ることができた。ザックを背負
  い忠別避難小屋を目指す。
   五色からの道はハイマツがすごいと聞い
  ていたので覚悟していたが、きれいに駆り
  払われていて歩き易い登山道になっていた。

   忠別小屋到着。
   五色の水場以降誰とも会わなかったので、
  多分ボクらだけだろうと思って、「こんに
  ちわ。」と声を掛けると返事があった。

   話を聞いてみると恵庭から来られた男性
  で、小屋にはヒサゴから9時に到着し、そ
  のまま停滞を判断してここにいるとのこと。
   昨日(27日)は昼過ぎには雨と風が強
  かったと話してくれた。

   その話を聞いて昨日山に入らなくて良かっ
  たと思った。
   雪渓尻の凍るように冷たい水に冷やした
  缶ビールを取りに行ったときに雨が降り始
  めた。小屋についてから30分後だった


    この日は3人だけの忠別小屋だった。
  ミヤマオグルマ 
  〈第二日目〉
     残念ながら雨と霧。風は昨夕から夜中まで強かったが朝はさほどでもない。ただ霧の流れは結
  構速い。
   やむを得ず来た道を引き返すことにした。

   そしてこの日は視界も少なかったため、ひたすら下ったのみだった。雨は時々止んだが、木道
  以外はぐちゃぐちゃで途中から靴にも染み込んできた。
   
   五色が原の入り口付近で、ヒサゴを目指す2パーティーに出会っただけだった。トムラウシに
  登るという。天気が回復するといいね。

   クチャンベツに着いたときはびしょびしょだったが、雨のおかげで泥はきれいに取れていた。

   
 
    
   この3日間の天気図からすれば、登っているときの崩れがなく、眺望は効かなかったが五色が原、
  化雲平の花を楽しむことができ、ラッキーな山行だった。

   


  クチャンベツ登山口5:38  木道入り口7:22  沼の原分岐7:52  五色の水場8:51  

  五色岳12:12  化雲岳往復約2時間  忠別避難小屋14:55


  忠別避難小屋5:24  五色岳6:16  水場8:27  沼の原分岐9:17  登山口10:55
   



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