〈第1日〉 | ||
起きてみると曇りだった。コンビニで今日 のお昼を買い、古寺鉱泉を目指す。 朝日町の泊まったところからは約23キロ で50分ほどで着いた。朝日川沿いの道は幅 が狭いが途中から大規模林道に入ると道幅が 広くなる。でも最後まで舗装された道なので ありがたい。 駐車場には15、6台が停まっていた。 支度をして出発。古寺鉱泉朝陽館の横から 登山道となり、古寺川の脇を歩いて尾根に向 かう。 |
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古寺川沿いから歩き始める | ||
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あたりはブナが多く、ジグザグ道を越える とすぐ尾根に出る。 ここからハナヌキ峰の分岐までの道は、と ころどころ木の根が出たり、大きな石がある ところはあるが、とても歩きやすく、傾斜も さほどない道が続く。 大きなブナとヒメコマツが一緒に成長した「 合体の樹」というのがあった。 ここから上は幹も大きいブナ林が続く。 |
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合体の樹 | ||
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途中から雨がポツリポツリと落ちてくるが ほんのわずかな時間で止む。しばらくしてポ ツリポツリを繰り返すが、雨具を着るまでに はならない。 あたりはガスがかかっていて何も景色は見 えない。風は全くなく、湿気が多いので汗が 噴きだす。 でも気持ちのよいブナの林だ。 どこか休むところがないかなと思っていた ら、一服清水の水場に着いた。 |
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ブナ林が続く | ||
この古寺コースは山頂までの間に水場が 3箇所あるが、この一服清水と三沢清水に は緑のビニールホースがついていてプラス チックのバケツに受けている。 これはどうもいただけない。少し汚れて いたり欠けていたりで、折角湧き出ている 清水が興ざめだ。 今日は避難小屋泊まりであるから、全く 急ぐ必要はない。昨日買ったりんごを食べ ながら休む。 歩き始めて10分ほどでハナヌキ峰の分 岐に着いた。 |
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ここから古寺山へ向かう。ここの道は、 2.5万図で見るよりは急に感じる。 また今までの道と違って岩が多い道に変 わる。そしておそらく雨が降ったときに流 れができて真ん中部分が相当えぐれている こともそう感じる一因だろう。 少しづつ、色づいてきた木々が見え出す。 足元には、サンカヨウの黒っぽくなった 実やマイヅルソウの赤い実、ツルリンドウ の赤紫の実が見られた。 |
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マイヅルソウ | ||
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古寺山に着く。 ここも眺望はガスのため、ない。 ここまでで下りの人と数人出会ったが、古 寺山で一組登りのパーティーに会う。 少し早いけど、ここでお昼にする。 |
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ツルリンドウ | ||
ここまででも、道沿いにオヤマリンドウ がところどころで見られた。もうほとんど は終わりだが、中にはまだ咲いている株も いくつかあった。 古寺山から少し下って草地が東側にある 場所にまだ見られるオヤマリンドウがあっ た。 しばらく歩いて稜線になったところに、 大量のオヤマリンドウがあった。もう枯れ ているのが大部分だったが、これの最盛期 にはそれは見事だったろうと思う多さだっ た。 |
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オヤマリンドウ | ||
小朝日岳に向かう稜線にも平坦なところ があり、おそらく景色が見えればすばらし いところだと思う。 標高は1500mを過ぎており、少しづ つ紅葉した木々が増えてきている。でもナ ナカマドはまだほとんど夏の葉の色だ。 明日の天気を期待するしかない。小朝日 岳もトラバースルートを取り、山頂部は明 日にする。この先の稜線にも平坦な道があ り、岩場にコケモモの赤い実がたくさんつ いているところがあった。ここの稜線も気 持ちがいいだろうな。 |
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コケモモ | ||
銀玉水に到着。 このあたりから少し風が出てきた。霧が 流れるのがはっきり分かる。 水場は数メートル下に流れていた。とて も冷たい水だ。小屋には水がないためここ で明日の朝の分まで確保した。 ここから石畳が敷いてある階段状の道と なる。「神社があるからこうなっているん だろうか?」とあーちゃん。しばらく続い て普通の道に変わる。神社の祠でもあるん だろうと思ったら標識だけだった。 以前はきっと何か建造物はあったんだろ うと思う。 |
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銀玉水 | ||
![]() 朝日岳神社奥宮 |
少し歩いてガスの中に小屋が見えてきた。 小屋にはもう随分先着の人がいた。 避難小屋ではあるが、きれいな立派な小屋 だ。トイレもきれいに使われている。管理人 さんが、寝る場所と自炊する場所を確保して くれる。 まだ2時過ぎなのでこれからも相当人が来 るかなと思っていたけど、ボクらのあと来た 人は2人だった。全部で29人。 100人の収容らしいが、去年の最盛期は 110人泊まったらしい。2階に上がる階段 でも寝てもらったらしい。 山小屋でこんなにスペースが取れて眠れる のは初めてといってよい。 管理人さんがラジオの天気予報を聞かせて くれた。明日の降水確率は午前中0%だそう だ。 |
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〈第2日〉 | ||
3時半頃から起き始めた人がいる。日の 出は5時半だからまだ早い。ただ外は風の 音がする。4時半頃仕方なく起きる。外を 見ると一面のガスと強い風。天気予報は外 れた。 早い人たちは5時前からヘッデンを着け て出発している。今日はご来光は望めない。 朝食を摂ってもう明るくなった小屋の外 に出る。強風だ。立ってられないと言うほ どではないが。 とりあえず山頂に行く。この辺りの紅葉 は、管理人さんに言わせると2日前がピー クだったそうだが、まだまだきれいだ。た だガスが濃くて見渡せないのが残念だ。 |
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山頂付近の紅葉その1 | ||
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山頂には標識があるだけだった。 風が強い。標識につかまって立っているの が精一杯。写真を撮っただけで離れた。 少し下へ来ると風は治まってくる。あたり の紅葉を眺めながらゆっくり小屋まで降りる。 晴れていたらさぞかしきれいだろうなとの 思いは捨てきれないが、待っていたところで 晴れる見込みもないため、荷物を持って下る。 |
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山頂付近の紅葉その2 | ||
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朝日岳山頂 | 山頂付近の紅葉その3 | |
チングルマが真っ赤に色づいている。 標高1700mくらいまでが素晴らしい 紅葉だった。 |
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チングルマの紅葉 | ||
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1770m付近の紅葉 | 1760m付近の紅葉 | |
それより下は、ハウチワカエデの黄色が目立っていたが、ナナカマドなどはまだ色づきが少ない。 それでも、赤、黄、緑ときれいな光景も所々で見られた。 |
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ハウチワカエデの黄葉 | 3色の紅葉 | |
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帰りは別ルートで大朝日岳を眺めようと思っていたが、全く視界が効かないので、行きと同じ ルートで下山する。写真で見た小朝日岳の南斜面は昨日より少し視界は良かったが、紅葉は全然 だった。 ハナヌキの分岐で休んでいると、登ってきた夫婦連れが、「小屋でビール売ってました?」と いきなり尋ねてくる。「売ってませんでしたよ」 「じゃあ土日以外は持ち上げないんだ。ある ときとないときがあるんですよね。でも4本持ってきたから大丈夫です」 ほかに少し話をして分かれた。 あとであーちゃんが、「随分山に登っているけど、小屋でビール売ってましたか、と質問され たの初めてだね。」 そう、考えてみれば、関東や甲信越以西の営業小屋ではビールを売ってい るのが当たり前だからこんな質問はないだろう。北海道は営業小屋がないからビールは当然自分 で持っていくのでこういう質問もないよね。その中間の東北の避難小屋には、営業小屋っぽいと ころもあるのかな。だからこんな問いかけするのかな。なんて話しながら下山した。 ガスの2日間だったが、きれいな紅葉が見られた。 駐車場8:13 一服清水9:40 ハナヌキ峰分岐10:00 三沢清水10:35 古寺山11:08 銀玉水13:15 大朝日小屋14:02 大朝日小屋5:35 朝日岳山頂5:53 銀玉水6:48 古寺山8:10 ハナヌキ分岐 9:11 駐車場10:44 |
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