アポイ岳


                          2017年9月1日


   厚真町と苫小牧の友人と旧交を温めに北海道へ行ってきた。苫小牧の友人はまだ仕事を持っ
 ているので1日は朝から夕方まで時間があり、アポイ岳に行ってみた。

  厚真町からアポイ岳の登山口までは約160キロ。帰りの苫小牧までもほぼ同じ距離なので、歩く時間を
 考慮して5時過ぎに出発した。アポイ岳は7年ぶり。今回はヒダカミセバヤを見たいと思っているが、この
 花は9月中旬に咲くので、ほかのアポイ特有の花が見れればいいと思って歩き出す。

     天気は晴れ。風も弱いが、太平洋は台風が
  北海道の東沖に近づきつつあるので波はいつ
  もより高い感じがした。

   アポイ岳は登山口が標高70m、山頂は標
  高800mあまりの山であるが高山植物で有
  名な山である。特にこの山を作っているのが
  橄欖岩で、これは植物の成長に害をなす元素
  が含まれているため、アポイ固有の植物が見
  られる山でもある。

   2015年にユネスコのジオパークに認定
  されたそうで、その看板があった。

   歩き始めてすぐにミヤマウズラがいくつか
  見られた。
    ジオパーク認定の標識
       7年前にも8月下旬に登ったことがあり、
    その時にはヤマサギソウが咲いていたが、今
    日はミヤマウズラ以外は見当たらない。

     小さな沢をいくつか渡り、ベンチが3か所
    も道の脇に設えてあり、休憩所となっている。

     ところどころにクマよけのためにならす鐘
    がぶら下げてある。

     エゾマツの林の登山道はゆるい傾斜の登り
    が約2キロ続く。第4休憩所から少し急な登
    山道となり、やがて避難小屋を兼ねた五合目
    に着く。

     ここで視界が開け、太平洋が見えてくる。
   ミヤマウズラ  
 
  約2キロの山道 五合目の避難小屋
     五合目から上が花の道になる。

   アポイ岳で有名な花はヒダカソウである。
   ここの固有種であるが、盗掘によってかな
  り数が減り監視が強められているが、通常の
  登山道ではほとんど見られなくなってしまっ
  た。

   たつさんも2004年の5月に登った時に
  一株だけ見たが、その写真が右のものである。
  最近でも見られるのかどうか?

   アポイハハコとエゾマツムシソウが見られ
  た。
  ヒダカソウ
 
   アポイハハコ エゾマツムシソウ
     アポイ岳は五合目から上がもう森林限界と
  なり、六合目、七合目あたりが馬の背という
  尾根でここに花が多い。この日は様似漁港か
  ら太平洋が見えた。

   太平洋に面しているため霧も多いことが、
  こんなに低い標高ながら高山植物が見られる
  理由の一つになっている。

   キンロバイがたくさんあるが、花はもう終
  わりである。
    様似漁港と太平洋
       モイワシャジンが少し見られ、また似ては
    いるがハクサンシャジンもあった。

     ウメバチソウはまだ蕾の株もたくさん見ら
    れた。
  キンロバイ
 
  モイワシャジン ハクサンシャジン
       一人女性が山頂から降りてきたが、平日と
    あってか登る人は少ない。

     単独で登っていた男性二人がいたが、その
    後は下山時に3組に会っただけだった。

     七合目付近では、今までに見た花に加えて
    アポイゼキショウが見られた。これもアポイ
    岳の固有種で花は終わってもう実がついてい
    る状態だったが、初めて見る花だった。

     オヤマソバがあり、チシマセンブリがたく
    さん見られた。ちょうど見ごろのものが多か
    った。
  ウメバチソウ  
 
  アポイゼキショウ オヤマソバ
 
  チシマセンブリ
     エゾシオガマが一株だけ残っており、岩場
  の隙間にダイモンジソウがいくつか残って咲
  いていた。

   アポイマンテマも二株だけ見られた。これ
  もアポイ岳の固有種である。

   この先が八合目であり、この上の岩場にき
  っとヒダカミセバヤがあるだろうとしっかり
  と見ながら登ることにした。
    エゾシオガマ
 
  ダイモンジソウ アポイマンテマ
   
  アポイ岳山頂部
     山頂までじっくりと探しながら登ったが見
  ることができなかった。

   山頂は展望はない。少しおなかを満たして
  下山した。

   そしてすぐ下の岩の隙間にヒダカミセバヤ
  が見られた。思わず「やったぁー!!」と声
  を出してしまった。下から目線では見られな
  いところにあったので、登る途中では見えな
  かったのだ。まだ蕾の状態で残念だったが。

   その後も岩の隙間を探したが、見られたの
  はこの一株だけだった。
  山頂標識
   
  ヒダカミセバヤ 
 

 


    9月初めの北海道の山であったが、アポイ固有の花も含めて思っていた以上に多くの花が見ら
   れた。特に見ごろのチシマセンブリがたくさんあったのは嬉しかった。

    ヒダカミセバヤは見られたもののまだ蕾の状態で、きれいな花が見られるのは一週間後のよう
   だった。


  登山口 8:23  第4休憩所 9:02  五合目 9:22  山頂 10:23

  五合目 11:29  駐車場 12:14


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