天気は晴れ。風も弱いが、太平洋は台風が 北海道の東沖に近づきつつあるので波はいつ もより高い感じがした。 アポイ岳は登山口が標高70m、山頂は標 高800mあまりの山であるが高山植物で有 名な山である。特にこの山を作っているのが 橄欖岩で、これは植物の成長に害をなす元素 が含まれているため、アポイ固有の植物が見 られる山でもある。 2015年にユネスコのジオパークに認定 されたそうで、その看板があった。 歩き始めてすぐにミヤマウズラがいくつか 見られた。 |
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ジオパーク認定の標識 | ||
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7年前にも8月下旬に登ったことがあり、 その時にはヤマサギソウが咲いていたが、今 日はミヤマウズラ以外は見当たらない。 小さな沢をいくつか渡り、ベンチが3か所 も道の脇に設えてあり、休憩所となっている。 ところどころにクマよけのためにならす鐘 がぶら下げてある。 エゾマツの林の登山道はゆるい傾斜の登り が約2キロ続く。第4休憩所から少し急な登 山道となり、やがて避難小屋を兼ねた五合目 に着く。 ここで視界が開け、太平洋が見えてくる。 |
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ミヤマウズラ | ||
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約2キロの山道 | 五合目の避難小屋 | |
五合目から上が花の道になる。 アポイ岳で有名な花はヒダカソウである。 ここの固有種であるが、盗掘によってかな り数が減り監視が強められているが、通常の 登山道ではほとんど見られなくなってしまっ た。 たつさんも2004年の5月に登った時に 一株だけ見たが、その写真が右のものである。 最近でも見られるのかどうか? アポイハハコとエゾマツムシソウが見られ た。 |
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ヒダカソウ | ||
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アポイハハコ | エゾマツムシソウ | |
アポイ岳は五合目から上がもう森林限界と なり、六合目、七合目あたりが馬の背という 尾根でここに花が多い。この日は様似漁港か ら太平洋が見えた。 太平洋に面しているため霧も多いことが、 こんなに低い標高ながら高山植物が見られる 理由の一つになっている。 キンロバイがたくさんあるが、花はもう終 わりである。 |
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様似漁港と太平洋 | ||
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モイワシャジンが少し見られ、また似ては いるがハクサンシャジンもあった。 ウメバチソウはまだ蕾の株もたくさん見ら れた。 |
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キンロバイ | ||
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モイワシャジン | ハクサンシャジン | |
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一人女性が山頂から降りてきたが、平日と あってか登る人は少ない。 単独で登っていた男性二人がいたが、その 後は下山時に3組に会っただけだった。 七合目付近では、今までに見た花に加えて アポイゼキショウが見られた。これもアポイ 岳の固有種で花は終わってもう実がついてい る状態だったが、初めて見る花だった。 オヤマソバがあり、チシマセンブリがたく さん見られた。ちょうど見ごろのものが多か った。 |
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ウメバチソウ | ||
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アポイゼキショウ | オヤマソバ | |
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チシマセンブリ | ||
エゾシオガマが一株だけ残っており、岩場 の隙間にダイモンジソウがいくつか残って咲 いていた。 アポイマンテマも二株だけ見られた。これ もアポイ岳の固有種である。 この先が八合目であり、この上の岩場にき っとヒダカミセバヤがあるだろうとしっかり と見ながら登ることにした。 |
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エゾシオガマ | ||
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ダイモンジソウ | アポイマンテマ | |
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アポイ岳山頂部 | ||
山頂までじっくりと探しながら登ったが見 ることができなかった。 山頂は展望はない。少しおなかを満たして 下山した。 そしてすぐ下の岩の隙間にヒダカミセバヤ が見られた。思わず「やったぁー!!」と声 を出してしまった。下から目線では見られな いところにあったので、登る途中では見えな かったのだ。まだ蕾の状態で残念だったが。 その後も岩の隙間を探したが、見られたの はこの一株だけだった。 |
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山頂標識 | ||
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ヒダカミセバヤ | ||
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9月初めの北海道の山であったが、アポイ固有の花も含めて思っていた以上に多くの花が見ら れた。特に見ごろのチシマセンブリがたくさんあったのは嬉しかった。 ヒダカミセバヤは見られたもののまだ蕾の状態で、きれいな花が見られるのは一週間後のよう だった。 登山口 8:23 第4休憩所 9:02 五合目 9:22 山頂 10:23 五合目 11:29 駐車場 12:14 |
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